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インタビュー

50歳を過ぎると「一生現役」か「老害」の二択!?仕事とプライベートを統合させた働き方とは

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日本オムニチャネル協会の活動をサポートする役割を担う「フェロー」。各方面の専門家が集まり様々な活動に取り組みます。今回はそんなフェローの1人で、米ロサンゼルスで自身のマーケティング会社「MIW Marketing and Consulting Group」のCEOとして活躍する岩瀬昌美氏に話を聞きました。子育てをしながら、アメリカで仕事をする岩瀬氏が重視する「ワークライフ・インテグレーション」の考え方とは。経験談とともにその思いに迫ります。

ワークはライフの一部

鈴木:岩瀬さんは現在、海外で自身の広告・マーケティング会社を経営されていますが、これまでの歩みを教えてください。

岩瀬:海外の大学院へ進学し、修士課程を取得しました。そして米国でのインタビューで三洋電機本社の女性初の総合職として入社し、海外広報を経験した後、再渡米してMBAを取得しました。その後、アメリカ広告代理店最大手のKang & Lee Advertisingや世界最大級の電気通信事業者であるAT&Tの本社で広告を担当しました。オンラインデリバリーをするKozmo.comでは、ナショナルフードアンドビバレッジディレクターとして食料品のオンライン販売を経験しました。現在はマーケティング会社MIW Marketing & Consulting Group,Inc.を起業し、23年目になります。

鈴木:現在はどのようなことに取り組まれているのでしょうか。

岩瀬:現在は食に関わるプロジェクトを多く手掛けています。起業当初は米系企業のマーケティング戦略を数多く手掛けていました。
しかしある時、某日本の酒会社から「アメリカ人にみりんを売るためにレシピを考えてほしい」とお願いされました。当時のアメリカ人はみりんを買っても、照り焼きチキンを1度つくるだけでキッチンに眠りっぱなしだったのです。そこでアメリカ人でも簡単に作れるレシピを考えました。すると反響があり、ほかにもレシピを考えてほしいと依頼されるようになりました。気が付くと全米放送の中華系TV 「Phoenix」やCH18などで日本食の料理番組を担当するなど、食に関わるプロジェクトを多く手掛けるようになりました。現在では「食育(Shoku-iku)」プロジェクトも推進し、子供向けの食育教室などを開催しています。

鈴木:アメリカでは子供向けの食育教室のニーズがあるのですね。

岩瀬:私自身、息子のピーナツアレルギーとアトピーがきっかけで、自炊機会が多くなりました。その影響で食について調べると、ロサンゼルス郡の3分の1の子供が肥満ということを知りました。そこで「息子にしてあげたいことが、ほかの子にも役に立つのではないか」と思い、食育プロジェクトを始めました。

鈴木:仕事とプライベートをうまく融合させているのですね。

岩瀬:そうですね。私は、「ワークライフ・インテグレーション」の考えが重要だと思います。日本に行くと「仕事の時間ばかりでプライベートの時間がない」と悩む声をよく聞きます。しかし、「ワークライフバランス」といってワークとライフを分けようとするからプライベートの時間が少ないと感じるのでないでしょうか。

アメリカでは一般的に、20代はキャリアのために時間を使う人が多くいます。仕事が決まったからプライベートを充実させようと考える学生は多くありません。つまり、ワークはライフの一部と考えているのです。そのため、「ワークライフ・インテグレーション」というワークとライフを統合する考えた方なら、不要な切り替えもなく楽と考えられるようになっています。

MIW Marketing and Consulting Group CEO 岩瀬昌美氏

自ら行動するしかない。明日はNEVER COME!

鈴木:海外で企業して23年とのことですが、最初から海外で起業したい思いがあったのでしょうか。

岩瀬:いいえ。まったく考えていませんでした。自分がやりたいことをするための手段が起業でした。私は常に「やろうか、やめようか」迷ったときは、やる方を選択してきただけです。

子育てをしながら働き続けるためには、一人目の息子を出産してから6週間後には仕事に復帰しなければなりませんでした。アメリカは男女平等なので育休がなく、長期間休暇を取るには退職するしかありません。二人目の時はAT &Tという大企業でしたが、東洋人の女性でアメリカの大企業の本社で働ける機会はめったにないと思い、こちらも6週間で復帰して仕事をやることを選択しました。

起業する時も、「岩瀬さんは日本人でアメリカの大企業で働いた経験があるので、自分でやられたらどうですか」と、コンサルティングを依頼されたのがきっかけでした。自分がやりたいことを優先したとき、起業に至ったのです。

鈴木:目の前のことに向き合って行動してきた結果だったのですね。

岩瀬:「岩瀬さんは好きなことができていいね」と言われることがありますが、私は自分の夢のために行動してきただけです。人生は短いので自らやろうと決意し行動しないと意味がありません。多くの人は「明日やろうかな」で行動しないことが多いですが、明日は「NEVER COME」です。

日本オムニチャネル協会会長 鈴木康弘氏

50歳を過ぎると「一生現役」or「老害」しかない

鈴木:岩瀬さんは今後どうしていきたいと考えていますか。

岩瀬:現在、キャリアと子育てに奮闘している若い方に、「頑張って働き続けた先には今より幸せな人生が見えてくる」と思ってもらえるようになってほしいです。その時に周りにメンターがいない場合、彼らや彼女たちを勇気づけるチアリーダーのような存在になれるように日々精進していきたいと思います。

そのためには常に努力し続けるしかないと思います。私は50歳を過ぎると「一生現役」or「老害」しかないと思っています。この前、「若い人に親しみやすくするために振る舞う」と言う人がいました。それは自分が優れていると勘違いしている老害ではないでしょうか。若い人は親しみやすいからその人についていくのではなく、「この人から学びたい」と尊敬の思いがあるからこそ慕うのではないでしょうか。一生現役として、若い人の役に立つには努力をし続ける必要があると思います。

鈴木:たしかに努力をやめた瞬間、老害ですね。一生現役でいるには、行動し続けるべきです。そのため特に若い時は仕事に一所懸命取り組んだ方がいいですし、その実現のため仕事は人生の一部だと考える「ワークライフ・インテグレーション」の考えが必要なのだと思います。

岩瀬:私は現在、日本オムニチャネル協会のフェローを務めていますが、「どんな人も日本オムニチャネル協会に入れば自分の人生がよくなったり、楽しくなったりしてきたな」と思えるような協会にしていきたいですね。志のある人がもっと良い人生にしたいと思ったときに手助けをしていきたいですね。

鈴木:ありがとうございます。日本オムニチャネル協会のいい目標をもらった気がします。海外から見た日本について教えていただくことでも視野が広がり、岩瀬さんから勇気をもらう人はたくさんいると思います。お互いに「一生現役」でいられるように努力していきましょう!


MIW Marketing and Consulting Group Inc.
https://www.miwgroup.com/

日本オムニチャネル協会
https://omniassociation.com/

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