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インタビュー

銀行が地域DXの起点になる。「DXSTAR for Bank」がつなぐ企業の挑戦

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DXの必要性は分かっていても、何から始めればいいのか分からない。地域の中小企業では、経営者が一人で悩み、最初の一歩を踏み出せないことも少なくありません。
NTT DXパートナーが展開する「DXSTAR for Bank」は、地域金融機関を起点に、中小企業を「気づき」から「実装」まで支えるDX支援プラットフォームです。千葉興業銀行との「ちばCoラボ」などを通じて生まれた支援モデルは、日本DX大賞2026支援部門の優秀賞を受賞しました。一度きりの支援で終わらせず、企業が動き続ける仕組みをどうつくったのでしょうか。CSO・地域企業支援事業部長の平塚信行氏と、プロダクトマネージャーの徳嶺あかり氏に聞きました。

「支援が届きにくい企業にこそ、届けたい」

平塚氏:私は富士通で約30年、SEとして業務パッケージやSaaSの事業開発に携わりました。その後、事業会社でDXを「支援する側」ではなく自分ごととして経験し、2023年に現職に就きました。

徳嶺氏:私は学生時代からスタートアップコミュニティの運営に関わってきました。沖縄のIT企業や地方創生メディア、農業、ベトナムのAIスタートアップなどを経て、2024年に入社しました。現在は「DXSTAR for Bank」の立ち上げを担当しています。

――地域企業のDXには、どのような課題がありますか。

平塚氏:企業によって成熟度が本当に違います。「DXって何?」という段階から、新しい事業に挑戦している企業までいる。しかも、業務効率化だけを目的にしても、必ずしも成長にはつながりません。デジタルを使ってビジネスモデルや競争力をどう変えるのかまで考える必要があります。中小企業は資金も人材も潤沢ではありません。だからこそ、支援を届ける意味があります。

――NTT DXパートナーは、どのような思いで地域企業を支援しているのでしょうか。

平塚氏:中小企業は、DXにかけられる資金も人材も決して潤沢ではありません。だからこそ、支援が行き届きにくい企業を支えることに意味があると考えています。

さらに、業務効率化だけを目的にすると、必ずしも企業の成長にはつながりません。ビジネスモデルや競争力をどう変えるのかまで考える必要があります。

「一社ずつ」ではなく、地域を“面”で支える

――そこで生まれたのが「DXSTAR for Bank」なのですね。

徳嶺氏:はい。私たちが中小企業一社一社に直接サービスを届けるのではなく、経営者と日頃から近い距離にいる地域金融機関を起点に、地域を面で支える仕組みです。千葉興業銀行様とは、共創コミュニティ「ちばCoラボ」を運営しています。リアルな交流の場とデジタル基盤を組み合わせ、DX事例の発信や診断ツール、オンラインコミュニティなどを一つの流れとして設計しています。
大切なのは、参加者の自発性です。キックオフイベントで話を聞くと、「自社のDX経験を地域に共有したい」「事業承継に悩む人同士で話したい」「地域課題を事業で解決したい」という経営者が見つかります。その思いを起点にサブコミュニティが生まれ、2回目、3回目の活動へつながっていきました。

平塚氏:全国的な有名企業ではなく、地元の企業の事例だからこそ、「自分たちにもできるかもしれない」と思えるんです。紹介された企業も喜んで、今度は「次のイベントは自分がやるよ」と動き出す。そうやって変革が連鎖していきます。

「コミュニティを新規事業に?」から始めた1年半

――新規事業として「DXSTAR for Bank」が誕生したそうですが、立ち上げまでには、どのような苦労がありましたか。

徳嶺氏:新規事業として人が集まり、当社代表の思いやこれまでNTT DXパートナーが展開してきた実践知をどう新規サービスとして形にするかというところから始まりました。私はコミュニティに長く関わっていたので肌感覚はありましたが、その良さを社内外に言葉で伝えるのが難しくて。「コミュニティをコンセプトに、具体的にどう事業化するの?」という状態でした。

平塚氏:このプロジェクトメンバーは全国各地でリモート勤務しているメンバーもいるのですが、最初は東京のプロジェクトルーム集まり、「ああじゃない、こうじゃない」と何度も議論しました。考えたものを金融機関様にぶつけ、見直す。プロダクトをつくりながら商談もし、本当に考えながら走った1年半で、ようやく形にできました。まさに、リーンスタートアップ・アジャイルな新規事業開発を実践してきました。

写真:日本DX大賞2026年 支援部門優秀賞受賞

地域のつながりから、次の挑戦を生み出す

――今後の展望を教えてください。

平塚氏:全国の地域金融機関と一緒に、その先にいる中小企業を支援していきたいです。「すごそうだけれど、使い方が分からない」という企業に、コミュニティを生かしたAI活用支援も広げていきます。

徳嶺氏:中小企業の経営者は孤独になりがちです。でも、誰かと話すことで、自分にはなかった視点や気づきを得られます。挑戦する人が次の挑戦者を呼ぶ。そんな場を地域に増やしたいです。

平塚氏:地域金融機関も「やらなければ」と分かっていても、一歩目をためらうことがあります。でも、一歩踏み出せば、千葉で起きたような動きは必ず生まれます。その一歩を、私たちが一緒につくっていきたいですね。

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