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インタビュー

健康経営をアプリで支援、利用定着と継続利用させる工夫を随所に盛り込む

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従業員の健康管理に乗り出したい経営者は多いが、具体策を講じずにいるケースは少なくない。そんな中、アプリを使って企業の健康増進策を支援する企業がある。それがONE COMPATH(ワン・コンパス)だ。同社が提供するウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」の強みと、運動などに興味を示さない無関心層を巻き込むポイントについて、同社代表取締役社長CEOの早川礼氏に話を聞きました。【PR】

従業員の健康増進策をアプリで気軽に

 生産性向上、組織活性化、離職防止…。これらの効果を見込めるのではと企業が注目する取り組みの1つが健康経営です。人材不足を背景に、多くの企業が健康経営と銘打って従業員の健康管理・増進に力を入れるようになっています。  しかし一方、具体的に何をすればいいのか分からないという声があるのも事実です。経営者が「運動を習慣化しろ」「規則正しい食生活を心がけよ」と従業員に伝えるだけで実践されるものではないし、「毎日30分ランニングせよ」などと強制することもできません。  そこで近年、自発的な健康増進を促す施策の1つとして、アプリを活用した取り組みが注目されつつあります。従業員のスマートフォンにアプリをインストールし、運動時間や歩数を気軽に管理しようとするケースが増えています。福利厚生サービスを提供する企業やアプリ開発企業などが関連アプリを市場投入するようになっています。  ONE COMPATH(ワン・コンパス)もそんなアプリを提供する一社です。同社は、地図情報サービスを提供する株式会社マピオンを母体として、凸版印刷が運営してきた電子チラシサービス「Shufoo!」の事業を承継して2019年4月に誕生した会社。コンシューマ向けアプリの開発で培った知見を武器に、従業員の健康増進を支援する事業を展開しています。

ゲーム感覚の楽しさで利用定着図る

 同社が提供するサービス「aruku&(あるくと)forオフィス」は、コンシューマ向けの無料ウォーキングアプリ「aruku&」を企業向けにサービス拡充したもの。法人向けサービスとして提供した狙いについて同社代表取締役社長CEOの早川礼氏は、「健康診断などによって従業員の健康状態を把握できる企業は増えた。しかし、健康になるためのアクションを起こせない企業が大半だ。人手不足に加え、社員の高齢化も進んでいる。危機感を抱きつつも手をこまねいていた企業をサポートできないかと考えた」と、経緯を振り返ります。提供開始以来、2021年3月時点で導入企業は100社を数えます。
ONE COMPATH 代表取締役社長CEO 早川礼氏

ONE COMPATH 代表取締役社長CEO 早川礼氏

 「aruku& forオフィス」は、ウォーキングアプリとして歩数を計測する機能にとどまりません。最大の特徴は「コンシューマ向けサービスの視点を取り入れた楽しさ」(早川氏)だと言います。歩数を計測するとともに、目標の歩数を“クリア”するというゲーム要素を盛り込みます。一定の歩数に達したらプレゼントを申し込めたり、アプリ内に登場するキャラクターを次々変えたりして、飽きさせない工夫を施します。「アプリの利用を定着させ、長く使ってもらう仕組みづくりに主眼を置いた。歩数を可視化するだけの競合アプリと仕掛けづくりの点で差異化を図った」(早川氏)と指摘します。実際に同社の調査によると、競合のウォーキングアプリより、アプリを毎日開く回数、セッション数/日、滞在時間、30日後の継続率などの点で上回っていたと言います。
図1:目標歩数やランキング、歩数記録など、さまざまな機...

図1:目標歩数やランキング、歩数記録など、さまざまな機能を盛り込む

 チームで歩数を競うメニューも用意しています。部署や拠点ごとにグループを作成し、グループの歩数を全社で競うことが可能です。「全国に拠点を構える企業の場合、一斉にスポーツイベントなどを開催するのは難しい。地域を理由に十分な健康増進策を打ち出せないケースもある。アプリを使えば、全社で同じ目標に取り組める」(早川氏)とメリットを強調します。
図2:チームで歩数を競えるほか、個人戦のランキングも表示する

図2:チームで歩数を競えるほか、個人戦のランキングも表示する

 さらに、コロナ禍ゆえの課題を解消する狙いもあると続けます。「多くの従業員が在宅勤務を余儀なくされ、コミュニケーション不足が企業の課題として顕在化しつつある。チームで歩数を競うと、誰が多く歩いているのか、または歩いていないのかといった状況が分かり、話題づくりのきっかけになる。運動不足解消だけではなく、従業員のメンタル不調改善の効果も見込めるのが強みだ」(早川氏)と言います。  なお同社では、「aruku& forオフィス」の利用定着を支援するサービスも提供しています。どんなイベントを企画すれば従業員の満足度を高められるか、従業員の取り組みをヒアリングするアンケート項目にはどんな設問を載せればよいかなど、具体的な支援を実施します。また、チーム対抗戦を行う際には、合計歩数を指標にするよりも、目標歩数の達成率を指標にした方がいい、といったアドバイスもします。「合計歩数による対抗戦は、無理して足を痛めてしまうケースがある。営業部門と開発部門のチームでは不公平感も生じてしまう。参加する従業員が楽しく取り組み、利用を定着するためのノウハウを提供する」(早川氏)と言います。  実際に「aruku& forオフィス」を導入した企業の中には、独自のイベントを打ち出し、利用を促進する取り組みも見られます。BIツールを提供するウイングアーク1stの場合、「みんなで月に行こう」などのイベントをアプリ内で実施し、従業員の利用意識を高めています。自社のBIツールを使い、月に到達するまでの進捗状況や全歩数を可視化できるようにするなど、IT企業ならではのユニークな取り組みもあるようです。

利用の輪を広げる取り組みに注力

 健康増進策も含めた新たな取り組みを推進するには、社内の無関心層をいかに巻き込むかが大事だと早川氏は指摘します。「無関心層を巻き込み、全社一丸の取り組みに変えられるか。経営者の手腕が問われる。経営者自身のやる気はもちろん、まずはしつこいくらいに声を出して取り組みを主導すべきだ。従業員がその必要性に自ら気付くよう、上っ面の行動ではなく普段から取り組む姿勢も示すべきだ」と言います。続けて、「これは特定の取り組みに限らない。社内改革や新規事業創出といったDX推進にも通じることだ」(早川氏)と強調します。  同社は今後、「aruku& forオフィス」の機能強化を図る考えです。2021年度中にウェアラブルデバイスに対応する予定で、腕時計型デバイスを使って歩数を計測できるようにします。「企業の中には、作業中はスマートフォンの持ち込みを禁止するケースがある。個人用スマートフォンに加え会社支給のスマートフォンを携行する従業員の場合、2台を持ってウォーキングするのはつらい。こうした声に応え、より使いやすい環境づくりを進めたい」(早川氏)と言います。  さらに、従業員の家族や友人にも利用してもらいたいと考えます。「多くの人が使うほど“歩数を競う”楽しさが増す。従業員とその家族が一緒に参加できるイベントを企画するなどして利用の輪を広めたい」(早川氏)と言います。歩数を可視化する機能を利用し、遠くで暮らす両親の見守りツールとして使っていく構想も早川氏は描きます。

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