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フル充電で1か月以上の駆動、指輪型無線マウス

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東京大学の研究チームが発表した「picoRing mouse」は、研究環境下の測定で一回のフル充電で1か月以上の駆動を確認しました。指輪―リストバンド間の磁界バックスキャタ通信により、指輪側の通信消費電力を従来比で約2%に低減(通信系のみの比較)しています。

技術の中身と、表現上の注記

東京大学大学院工学系研究科の研究グループは、指輪型無線マウス「picoRing mouse」を開発しました。プレスリリースに基づくと、一回のフル充電で「一か月以上動作する」という値は研究チームが報告した測定結果であり、実際の利用時間はセンサの送信間隔やジェスチャー頻度、待機時間など利用条件によって変動する可能性があります。ここでは「研究環境下の測定条件での実績」である点を明確にしておきます。

技術面では、指輪―リストバンド間に磁界バックスキャタ通信を採用することで、指輪側の「通信システムの消費電力」を既存のBLE等と比較して約2%に低減したと報告されています。重要なのはこの「約2%」が通信部分の比較であり、トラックボールやセンサ、マイコンなどデバイス全体の消費電力と同義ではない点です、研究では分散コンデンサを用いた高感度コイルとバランスドブリッジ回路により通信距離を約2.1倍に延伸し、指輪―リストバンド間で概ね12〜14cm程度の中距離通信が安定することを示しています。これらの数値も実験条件に基づく指標であり、実環境での通信性能は周囲の電磁ノイズや装着状態などで変わりうることを注記します。

プロトタイプは磁気式トラックボール、マイコン、バラクタダイオード、コイルを含む負荷変調システムで実装され、最大消費電力は449μWと報告されています。屋内外を問わず目立たず操作できる点や、ARグラスとの連携による常時的なインタラクションの可能性が示されていますが、ユーザビリティ評価や長期運用試験、量産時の耐久性・コスト評価はプレスには詳細がありません。したがって「日常的に装着して放置しておける」といった断定的表現は避け、現時点では「常時利用の可能性が高まる」とするのが適切です。発表はUIST2025での学会発表が予定されており、研究はJSTや科研費などの支援で進められています。

詳しくは「東京大学大学院工学系研究科」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權

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