ネット銀行として国内初に東京信用保証協会の保証付融資取り扱いを開始するペイペイ銀行。2025年10月からの提供は、来店不要で24時間365日申請可能という新しい資金調達の形を中小企業にもたらします。CE Loanによる電子化で審査・実行がどう変わるのかを解説します。
来店不要×CE Loanで変わる保証協会付融資の実務
ペイペイ銀行は2025年10月、東京信用保証協会の保証付融資の取り扱いを開始します。実店舗を持たないネット銀行が保証協会付融資を取り扱うのは国内で初めてとのことで、従来の「銀行へ来店して手続きする」前提が変わります。ポイントは24時間365日、来店不要で申し込みができる点です。これは営業時間や場所に左右されずに資金調達の機会を得られるという点で、特に創業3年以内の事業者にとって大きな利便性向上を意味します。ペイペイ銀行の法人口座開設者のうち約40%が創業3年以内という比率からも、狙いの明確さがうかがえます。制度としては運転資金・設備資金ともに、最長15年の長期借入が可能なケースもあるため、成長投資に適した条件の提供につながります。無担保・原則連帯保証人不要(個人事業主の場合)という特徴もあり、心理的ハードルを下げる効果があります。
一方、今回の実現を支えるのがクレジットエンジン社のプラットフォーム「CE Loan 保証協会」です。CE Loanは申込から審査回答までを電子化し、PayPay銀行と信用保証協会間でAPI連携を行うことで、保証申込をWeb上で完結させます。これにより、書類郵送や来店に伴う遅延が解消され、融資実行までのリードタイム短縮が期待できます。電子化は単なる利便性向上にとどまらず、審査情報のログ管理や再申請時の効率化、人的ミスの低減にも寄与します。また、PayPay銀行は既に日本政策金融公庫の引落口座指定や各種ビジネスローン、プロパー融資、Visaデビット翌月払いなど複数の資金調達手段を持っており、保証協会付融資はそれらと組み合わせた資金繰りソリューションとして機能します。注意点としては、保証の適用範囲や保証割合、必要書類の整備、オンライン申請時の入力不備など審査遅延要因を事前に確認しておくことが重要です。東京都の制度融資と併用できる場合は金利優遇等の条件面のメリットも見込まれます。今後は東京都以での取り扱い拡大を目指すとしており、地域ごとの制度差を踏まえたシステム連携が進めば、より広範な中小企業支援につながる可能性があります。
詳しくは「PayPay銀行株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權






















