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生成AIが“自己改善”する時代へ、パナソニックHDが開発した新技術は?

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パナソニックHDとPRDCAがUCLAと共同で、生成画像を推論中にAI自身が振り返って改善する技術「‑Dit」を開発しました。学習を追加せずに自動で改善を行い、ICCV 2025で発表されます。

推論時のテキストフィードバックで自動改善する仕組み

パナソニック ホールディングス(以下、パナソニックHD)とパナソニックR&Dカンパニー オブ アメリカ(PRDCA)は、UCLAの研究者と共同で、推論時に生成結果を振り返り自動で改善する画像生成技術「Reflect‑Dit」を開発しました。本技術は、生成した画像の改善点をテキスト形式で生成モデルにフィードバックする新しいアプローチを採用しており、大規模な再学習や大量生成を必要とせずに品質改善を実現します。従来主流だったBest‑of‑N方式は数千枚単位での生成と選別が必要なことが多く、効率面で課題がありましたが、Reflect‑Ditはこの課題に対する解決策を提示します。

Reflect‑Ditのコアは、生成画像と元プロンプトを視覚言語モデル(VLM)が照合し、改善点をテキストで記述する点にあります。記述されたフィードバックは新たに追加したフィードバック処理部のネットワークを通じて画像生成AIの入力に組み込まれ、AIが自らの生成結果を反映して次の生成に活かす完全自動の改善ループを形成します。実装例としてはSANA‑1.0‑1.6BモデルにReflect‑DiTを組み合わせた構成が示され、比較対象のSANA+Best‑of‑20と比べ、物体の個数(count)、属性(attribution)、位置(position)といった複数評価項目で優れた性能を示しました。

評価実験では、同等の生成品質を得るために必要な生成回数が従来手法の約5分の1で済むことが確認されており、効率面での優位性が明確です。また、この技術は実用面の応用も想定されており、例えば住宅事業でのレイアウトや照明デザインのカタログ作成に適用すれば、営業担当者が手元のPCで手軽にカタログ編集を行え、業務効率化に寄与するとしています。Reflect‑Ditは技術の先進性が認められ、AI・Computer Vision分野の国際会議IEEE/CVF ICCV 2025(2025年10月19日〜23日、米ハワイ)で発表されます。

詳しくは「パナソニック ホールディングス株式会社」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權

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