名鉄タクシーホールディングスは、過去の運行データに基づくAI乗車需要予測を2024年9月から実証し、AI未利用時に比べ売上が約9%増加したと発表しました。時間帯や天候を踏まえた走行ルート提示で稼働効率の改善を確認し、本格導入を検討しています。
実証の内容と結果
名鉄タクシーホールディングスは2024年9月から、膨大な過去データを用いて乗車需要を予測するAIの実証実験を実施しました。モデルは時間帯や天候などの外的要因を取り入れ、需要が見込まれるエリアへの走行ルートを提示する仕組みです。実証では、AIの提示に基づく運行とAI未利用時のデータを比較し、売上・稼働指標の差を評価しました。直近の比較で、AI未利用の場合に比べ売上が約9%増加する効果が確認されました。
システムはドライバー支援として運用され、最終判断はドライバーが行う設計です。名鉄HDは実証結果を踏まえ、本格導入の可否を含めた検討を進めるとしています。加えて、AI支援をドライバー未経験者の育成や採用強化に活用する計画を示しています。
実証で約9%の売上改善が確認されたことは、需要予測AIが実運用で稼働効率向上に寄与する有力な示唆です。導入を進める際は、ドライバーの最終判断を尊重する運用設計と教育、そして継続的な効果検証が不可欠だと考えます。
レポート/DXマガジン編集部






















