サトーの「RFIDスマートケアバンド」が2025年度グッドデザイン賞を受賞しました。布団越しに非接触で患者情報を読み取れる設計で、患者の睡眠を妨げず看護側の心理的負担を下げる新たな医療DXの実装例です。現場でのスモールスタート導入を可能にする点も注目です。
非接触RFIDで守る患者の睡眠と現場運用
「RFIDスマートケアバンド」は、サトーおよびサトーヘルケアが提供する医療用リストバンドです。 本製品はRFIDを活用し、布団の上からでも非接触で情報を読み取れる仕様になっています。 このため深夜の点滴交換などで患者を起こすことなく本人確認が可能です。 印字エリアを短尺にして大人と小児で兼用できる共通サイズとした点も特徴です。 共通サイズにより在庫管理や装着の手間が簡素化されます。 ラテックスフリー素材を採用し、長期装着を見据えた視認性と安全性にも配慮しています。 内側はエンボス加工で肌の接地面積を減らし、肌当たりをやさしく設計しています。 抗菌仕様で水やアルコールにも耐性があるため、入院中も着用したまま入浴できます。
審査委員の評価にもあるように、本製品は患者側の睡眠を守る設計と看護側の作業継続性を両立しています。 また機器側のカスタマイズやシステム改修が不要で、現場運用だけで始められる点が評価されました。 段階的な導入が可能な「スモールスタート」であるため、病棟単位の導入検討にも適しています。 サトーはこれまでに約1,000以上の病院へ導入実績を持ち、年間2,000万本超の医療用リストバンドを提供してきました。 グループとして自動認識技術を用い現場の課題解決に取り組んでいる点も評価に寄与しています。 今回のグッドデザイン賞受賞は、患者と医療従事者双方の実用性と快適性を念頭に置いた設計が外部評価につながった結果です。
夜間の患者確認に伴う負担を下げる設計は、現場導入のハードルを下げる重要な一歩です。 まずは現場の小さな改善から医療DXを進める示唆に富む製品だと感じます。
詳しくは「株式会社サトー」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部






















