言葉にならない関心を、対話で可視化して本にたどり着く取り組みが始まりました。横浜市とSHANRI株式会社は、音声でのやり取りを通じて本を探せる「AIとお話ししながら本をさがす」を実証中です。期間は令和7年12月16日から令和8年3月31日までで、横浜市立図書館で体験できます。AIは検索や蔵書判定には介入せず、利用者の想いをキーワード化する補助役に徹します。既存の蔵書データベースと検索システムが中核を担い、結果表示や蔵書有無は従来の仕組みに基づきます。対話を通じて人と本、人と知をつなぐ新しいかたちを探る実証です。
音声で“曖昧さ”をキーワードへ 利用手順と特徴、目指す成果を整理
利用はシンプルです。スマートフォンやPCから特設サイトにアクセスし、音声案内のONとOFFを選びます。探したい内容を自由に話すと、入力内容から本を探すための最適なキーワードをAIが提案します。提示キーワードを選択すると検索が進み、表示された探索結果から興味のある本を選べます。資料詳細ページの閲覧ができ、体験後は「あなたの好きな本」で会話のまとめを確認できます。実証の体験や気づきは、案内されたアンケートでフィードバックできます。
このサービスの要点は、AIが「補助的な技術」として機能する設計にあります。利用者の「なんとなく」「こんな気分」といった曖昧な気持ちを受け止め、言語化を助ける役割を担います。一方で、検索結果の表示や蔵書の有無確認は、既存の蔵書データベースと検索システムに基づく提供です。AIが本を選ぶわけではなく、利用者の内面にある関心を整理して、出会いの入り口を広げます。著作権保護の観点でも、物語や文章などの著作物を新たに生成しない方針が示されています。利用者の発話や蔵書データが生成AIの学習に使われないことも明確化されています。
実証が目指すのは三つです。第一に、従来の検索では出会いにくかった本や分野に気づく機会の創出です。音声による対話で関心を掘り起こし、新たな本との出会いを図ります。第二に、図書館を起点にAIリテラシーと対話の場をつくることです。安心して集える公共空間で、AIと人との関係を考え、学ぶ入口を提供します。第三に、音声やスマートフォンを活用し、年齢やデジタル経験の違いを越えて誰もが使いやすい公共サービスの可能性を検証します。文化とテクノロジーの共存を、市民とともに丁寧に探る姿勢が示されています。
体験導線は具体的です。特設サイトから利用を開始し、音声入力の内容をもとにAIがキーワードを提示し、結果から本を選ぶという流れです。結果の表示や蔵書確認は既存システムが担い、従来の図書館サービスと両立します。「あなたの好きな本」で会話の要点を振り返れるため、自身の関心の再確認にも役立ちます。アンケートへの協力依頼があり、体験をもとにした運用改善が想定されています。期間は令和7年12月16日から令和8年3月31日までと明記されています。
あわせて、横浜市立図書館は「ヨコハマライブラリースクール」を案内しています。AIの基本や日常での活用例をわかりやすく学べる講座で、後半には音声対話AIを用いた本探しを体験できます。申込は「初心者向け!スマホで体験する図書館×AI ~AIと会話しながら本を探してみよう!~」で、令和8年2月12日午前9時30分から先着受付です。締切は令和8年2月27日午後5時で、手話通訳等の希望は2月19日午後5時までの申出が求められています。公共空間ならではのアクセシビリティ配慮が示されています。
問い合わせ先は二系統です。実証実験に関する連絡先は、横浜市立図書館 中央図書館企画運営課です。電話は045-262-7334、ファクスは045-262-0052、メールはky-libkocho-k@city.yokohama.lg.jpです。本サービスに関する連絡先はSHANRI株式会社で、メールはinfo@shanri.co.jpです。実装と運用の役割分担が明確で、体験の案内と改善提案の受け皿が整っています。体験の前に期間と導線を把握しておくと、スムーズに利用できます。
見解 AIが補助に徹する設計は、図書館の信頼性と親和的です。声から始まる本探しが、新たな関心の扉を開く契機になります。
詳しくは「SHANRI株式会社」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部 茂木






















