災害直後や社会的関心が高い出来事の際、SNSには救助要請や被害報告とともに偽情報や誤情報が混在し、救命や救助活動に支障が出た事例が報告されています。令和6年能登半島地震の発災直後も、真偽不明の情報が拡散して悪影響を生みました。インターネット上の情報はすべてが真実ではなく、意図的に作られた虚偽や勘違いから広がった誤りが含まれます。こうした情報に惑わされないためには、真偽の確認や、正確性を判断できない場合に拡散を控える姿勢が欠かせません。約75%が偽・誤情報に気づけず、そのうち2~3割が拡散したという調査や、偽情報の拡散速度が真実の6倍とされる研究も示されています。まずは、情報に接する際の基本姿勢を整え、冷静な判断を心がけることが重要です。
偽・誤情報とは何か 惑わされやすい要素と拡散の実態
偽情報は人を混乱させる目的で意図的に作られた虚偽であり、誤情報は勘違いや誤解から広がる間違いです。フェイクニュースという語は意味が広範で曖昧なため、本稿では偽・誤情報と区別して記述します。偽・誤情報には、誰かに教えたくなる意外性や感情に訴える要素が多く、共感や怒りを引き起こして拡散しやすい性質があります。調査では、偽・誤情報に気付かなかった人が約75%、その中の約20~30%がそれを信じて拡散したとされます。加えて、偽情報は真実より速く広がるとの研究結果があり、拡散を抑えるための個々の自制が求められます。災害時の救助要請を装う投稿などは、まず真偽の確認が前提であり、拡散が二次被害になり得る点を意識する必要があります。
社会に与える影響 逮捕や賠償に発展した具体例が示すリスク
偽・誤情報は社会や経済の混乱を招き、トラブルや事件の一因となります。過去には「携帯電話の5G電波がコロナを広める」という偽情報が海外で拡散し、基地局破壊に至った例が知られています。国内でも熊本地震の際、動物園からライオンが逃走したという虚偽投稿により問い合わせが殺到し、投稿者が偽計業務妨害容疑で逮捕されました。あおり運転での死亡事故では、被告が勤務していたという虚偽情報が企業に被害を与え、拡散に関与した投稿者らへ損害賠償を命じる判決も出ています。個々の安易な投稿や拡散が刑事責任や民事責任につながる可能性があるため、情報の扱いには慎重さが不可欠です。真偽不明の内容は、関係機関の公式発表や信頼できる情報の確認を優先することが求められます。
惑わされないための基本の確認項目 情報源、発信者、他媒体、画像の真偽
日常の情報接触では、四つの基本ポイントを意識することが有効です。第一に情報源の確認です。いつどこから発信されたか、根拠が現存するか、海外ソースの場合に自分で確認できるかを見極めます。第二に発信者の専門性の確認です。責任ある立場や資格の有無、過去の発信の信頼性、関連商品販売など利害の有無を点検します。第三に他媒体での扱いの確認です。他の報道や意見、誤りの指摘がないかを探し、単独情報でないかを判断します。第四に画像の真偽です。臨場感ある画像でも即断せず、画像検索で同一画像が過去の無関係な文脈で使われていないかを検証します。これらの基本を踏まえ、確証が持てない場合は投稿や拡散を控えることが被害防止につながります。
さらに踏み込む応用の視点 知人情報、統計表現、動機、ファクトチェック
基本に加えて四つの応用ポイントも役立ちます。第一に、知人からの情報でもうのみしないことです。親しい関係ほど信じやすい傾向があり、慎重な確認が必要です。第二に、表やグラフを過信しないことです。出典や数値の妥当性、恣意的な強調の有無を確認します。第三に、発信の動機を考えることです。目立ちたい、収益化したいなど、誰が得をし誰が損をするかの視点で見直すと偽情報の意図が見えてきます。第四に、ファクトチェックの結果を参照することです。各団体がレーティングを用いて検証を公開しており、完全な真偽の二分ではなく一部誤りや未確定といった評価も存在します。判断に迷う場合は、こうした検証結果を参照し、安易な拡散を控えるのが安全です。
心理と技術の影響 確証バイアス、フィルターバブル、ディープフェイク
偽・誤情報に惑わされやすさには心理現象とサービス設計が影響します。人は自分が信じたい情報を選び取りやすい確証バイアスのほか、誤情報持続効果や真実錯覚効果などの影響を受けます。また、関心や履歴に基づく表示が意見の偏りを強化するフィルターバブルや、同質の意見が増幅するエコーチェンバーも拡散の背景にあります。さらに、AI技術を用いたディープフェイク動画は真偽の見極めを困難にしており、従来の目視確認だけでは不十分な局面が増えています。自分は大丈夫という過信は禁物で、疑義がある情報は拡散しない、一呼吸置いて別の情報源を確認するという基本を徹底することが重要です。
詳しくは「内閣府政府広報室」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















