非常時に本当に役立つ備えは何か。防災士の知見と大和ハウスの住宅提案を突き合わせると、優先順位が鮮明になります。飲料水は一人1日3リットル。現金は小銭中心で2万円ほど。どこに置き、どう持ち出すかまで設計することが鍵です。
必要なものを必要な場所へ 防災を機能させる「設計思考」
防災は品目を集めるだけでは機能しません。和田隆昌氏は、備蓄と持ち出しを分けることを基本としています。家で数日過ごす備蓄には飲料水や食料、カセットコンロ、非常用バッテリー、LEDランタン、現金、救急や衛生用品を含めます。飲料水は一人1日3リットルで3日分を用意し、食料は調理不要やレトルト中心にします。電力の確保が行動と情報の生命線になるため、大容量バッテリーやスマートフォン充電手段の準備が重要です。停電時は電子決済が使えない可能性があるため、小銭を含む現金を確保します。
持ち出し品は背負って小走りできる重さに収めます。500mlの水を2本、簡単に食べられる食料、救急用品、衛生用品や生理用品、ヘルメットや手袋、ヘッドランプ、携帯ラジオ、タオル、防寒用アルミシート、耳栓やアイマスク、衣類などを挙げています。乳児がいる場合はミルクや紙おむつ、哺乳びんを準備します。毎晩の非常用持ち出し袋には、預金通帳や印鑑、現金、常備薬、健康保険証やお薬手帳、懐中電灯、スマートフォンと充電済みバッテリーをまとめます。
収納場所も設計の一部です。備蓄はパントリーなどでローリングストックし、直射日光が当たらない庭の倉庫や車庫などにも分散します。持ち出し用の防災袋は玄関近く、非常用持ち出し袋は枕元に置き、避難動線に沿って最短で持ち出せる配置にします。玄関は災害後に残りやすく、外から取り出しやすいという実地の視点が示されています。大和ハウスは玄関に「自分専用カタヅケロッカー」を設ける提案を行い、各自のリュック型防災袋を定位置管理できるようにしています。
住宅性能も防災の前提条件です。安全が確保できれば自宅避難が推奨される状況に合わせ、備蓄と電気を自宅で確保できる設計が望ましいとされています。大和ハウスの「災害に備える家」は、太陽光パネルとエネファーム、蓄電池を連携させる全天候型3電池連携システムで停電時の電力をまかないます。地震対策ではエネルギー吸収型耐力壁「KyureK」を1階に配置することで建物の変形量を低減する仕様を明示しています。屋根材には飛来物に強い高耐久軽量の「ROOGA」、開口部には防災防犯ガラスの採用も記されています。日常の収納計画から構造と電源の冗長化まで、生活と建物の両面で対策を重ねるアプローチです。
備える対象は日用品に限りません。情報と電源、動線、そして家そのものが資源となります。飲料水や食料は数と場所を決め、電力は多層で確保します。持ち出しは小さく、避難路は短くします。玄関に集約された防災袋と、枕元の非常用持ち出し袋が連動すると、暗闇でも迷いません。構造については、耐震と屋根材、ガラスという部材の選択が具体化され、停電に対するエネルギーの自給手段がセットで示されています。和田氏の実地の助言と大和ハウスの仕様が噛み合うことで、何を買い、どこに置き、どう動くかが行動レベルに落ちます。
最後に、日々の運用が対策の質を決めます。備蓄は期限を可視化し古い順に消費することが推奨されています。玄関収納は家族単位で運用できる設計が効果的です。カセットコンロはお湯を沸かせるだけで生活の快適度を左右します。ロウソクは火災の危険があるため自宅でも細心の注意が必要で、避難所では使用できません。避難所では周囲との関係性にも配慮し、食事は場に合わせることが良好な生活につながります。日常で手を触れる場所に置き、毎日目に入ることで意識が続き、必要なときに機能します。
見解として、備蓄と持ち出しの二層化と、玄関と枕元の二点配置は、最短の行動に直結する実践解だといえます。構造と電源の多重化を同時に進めることで、自宅避難を現実的な選択肢に引き上げられます。
詳しくは「大和ハウス工業株式会社」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部






















