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DX推進87%でも成果は9% 企業が陥る“成果が出ない理由”とは

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有限責任 あずさ監査法人が、上場企業のDX推進責任者を対象に実施した調査結果を公表しました。DXの取組みは広がっており、「DXを推進できている」と答えた企業は87%に達しますが、「十分な成果を創出できている」企業は9%にとどまります。全社展開の停滞やPoC止まり、人材やガバナンス、データ基盤の未整備などが重なり、DXやAIが企業価値へ結実する過程で成果創出の壁が顕在化している状況です。AIに関するリスク管理を重点施策とする企業は57%となり、前回調査から2倍以上に増加しました。調査期間は2025年10月から12月で、有効回答は246社です。企業成長の基盤としてTrustの再定義が求められる現実が浮き彫りになっています。

DXの現状と課題。推進率87%も先進企業は9%、変革の本丸に届かず

調査では、DXを推進できているとする企業が前回から11ポイント増の87%に上りました。一方で、十分に推進できているとする先進企業は2ポイント増の9%で、取組みの広がりに比して変革の成果に結びつく企業は限定的です。要因として、全社展開が停滞していること、検証段階で止まること、人材やガバナンス、データ基盤の未整備といった構造課題が並存している点が示されています。DXやAIの価値創出において、単発の取り組みを越えた再現可能性が問われるフェーズに入っていることが分かります。生成AIの普及から2年が経過し、導入を超えて成果創出の実現が焦点へと移行しています。数値が示す通り、推進の手応えと成果のギャップが鮮明になったことが今回の特徴です。

ガバナンスの実態。AIリスク管理を重視する企業が57%へ、ルール整備は進展も成熟は道半ば

AIに関するリスク管理を重点施策と回答した企業は57%で、前回の2倍以上に急増しました。ガバナンス面では、ルールやガイドラインの制定が進んでいる一方、より成熟したレベルの施策は低水準にとどまる実態が示されています。信頼や安全、ガバナンスを意味するTrustの領域を、企業成長のエンジン基盤として再定義することの必要性が指摘されています。デジタルリスクマネジメントの重点施策では、AIに限らず幅広い観点が問われており、基盤の整備と運用の成熟を両輪で進める重要性が浮かび上がります。規程整備から実効性ある運用への移行が、今後の差となることが数値から読み取れます。ガバナンス強化は単独施策ではなく、他の構造課題とも密接に連動するテーマです。

人材戦略への影響。DX先進企業は人員増に前向き、育成の最重要テーマは既存社員のリスキリング

AIによる人材戦略への影響に関して、DX先進企業で最も多かった回答は新たな人員が必要となるため人員増加に取り組んでいるという内容でした。人員削減や採用方針の見直し、配置転換よりも、人材の拡充を重視する傾向が確認されています。デジタル人材確保の取組みで重要性が高いものとしては、全体のトップが既存社員の育成であり、リスキリングの重要性が継続しています。さらに、デジタル人材に求められるスキルで不足が最も多いのはビジネスアーキテクトで、AI人材を上回りました。ビジネスとデジタルテクノロジーを橋渡しする高度人材の育成が引き続き難しい課題であることが示されています。育成重視の姿勢とスキルギャップの現実が同時に存在している点に注目が集まります。

生成AI活用のネック。先進企業でもデータ未整備が最大課題、アクセス性の向上が急務

生成AI活用の課題では、データの未整備または不十分が「DX先進企業」で59%、「DXが推進できていない」とする「DX始動企業」では71%に達しました。DX先進企業においても、人材不足やハルシネーションへの懸念を上回り、データ整備が最も多く挙げられた点が注目されます。データへのアクセスのしやすさに関する回答では、52%が統合管理の取り組みを進めているとし、14%がデータの収集に労力と時間がかかる、もしくは不可能と回答しました。AI活用や高度な分析を目標としながら、データ基盤の整備が途上である現状が明確です。非定型データの活用や、企業固有の暗黙知の取り込みが今後の重要テーマになるとされています。データを巡る課題は、生成AIの価値実現のボトルネックとして浮き彫りになりました。

調査設計と位置づけ。対象は上場企業のDX推進責任者、実施は2025年10月から12月

本調査の名称はDX推進サーベイ2026で、目的はDXの推進状況および推進上の課題の実態把握です。対象は上場企業のCDOやCIOなどDX推進責任者で、ウェブアンケートにより実施されました。調査期間は2025年10月から12月で、有効回答数は246社です。サーベイではDX推進における3つの構造的課題が浮き彫りになったとされ、詳細は関連レポートで整理されています。生成AIの広がりを踏まえ、導入後の成果創出や再現可能性が問われる局面に移行しているという全体の文脈が示されました。調査主体は有限責任 あずさ監査法人であり、KPMGインターナショナルのネットワークを背景に、幅広い産業に対する知見を有する点が紹介されています。

詳しくは「有限責任 あずさ監査法人」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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