株式会社ELEMENTSは、コスモ石油マーケティング株式会社と共同で開発を進めてきたセルフ式サービスステーション向けAI自動給油許可監視システム「AiQ PERMISSION」の提供を全国で開始しました。AIがカメラ映像を解析し、給油時の安全確認や不適切行為の検知を自動化し、条件を満たす場合に給油を許可します。リスク行為を検知すると従業員に警告し、必要に応じて給油停止を行う仕組みです。技術基準適合確認試験に合格した実証機で複数店舗にて実証を重ね、積雪地域を含む多様な店舗環境で安定運用が可能であることを確認しています。法改正を受けた条件付自動制御装置の導入枠組みに準拠し、今後の全国展開を予定しています。人による常時監視に依存しない運用を実現し、安全性と業務効率の両立を目指します。
背景 日本の給油所減少とスマート保安の制度整備
国内の給油所数は1994年度末の60,421箇所をピークに減少が続き、2024年度末には27,009箇所となりました。燃料油需要の縮小に加え、人員不足や後継者不在が閉店の要因となり、特に過疎地域では地域インフラの維持が課題とされています。こうした状況を踏まえ、総務省消防庁は2021年からセルフ給油取扱所におけるAIによる給油許可監視支援の検討を進め、2026年3月に調査検討報告書をとりまとめました。1998年のセルフ給油解禁以降、人による給油許可と監視が必須とされてきましたが、2026年2月27日の法改正により規制が緩和されました。一定条件を満たした自動制御装置の導入が認められ、セルフ式SSの安全監視業務にAIを活用できる環境が整いました。これにより、省人化と安全確保の両立に向けた具体的な技術導入が可能となりました。
システム概要と安全機能 給油許可から継続監視までを一気通貫で自動化
「AiQ PERMISSION」は2018年から開発が進められ、カメラで取得した給油者や車両の状態をAIが解析し、リスク行為がなければ給油を許可します。許可後も継続して監視を行い、給油開始前や給油中に関わらず火気の検知などを継続することで安全性を高めます。複数店舗での実証実験では、規模やレーン配置、カメラ設置条件が異なるタイプの店舗でも対応できることを確認しています。積雪地域での検証でも、視認性が低下する条件下で安定運用が可能であることを実証しました。システムは不適切行為を検知した際に従業員へ警告し、必要に応じて給油停止を行います。省人化を後押ししつつ、ヒューマンエラーによる事故やトラブルの防止に資することが期待されています。
法規制準拠と試験確認 体制整備を経て全国展開へ
2024年には危険物保安技術協会による実証機の技術基準適合確認試験に合格し、セルフ式SSでの実証が継続して行われてきました。2026年4月1日からは、同協会が条件付自動制御装置を用いた監視システムの運用や管理体制を確認する試験確認業務を開始しています。「AiQ PERMISSION」は改正後の関連法令に準拠した実装機でこの試験に合格し、試験確認証明書を取得予定とされています。取得後は、全国のセルフ式SSへの展開が順次進む計画です。制度面では、AIを活用した監視支援が現場で運用可能となる枠組みが整い、元素材の導入に向けた要件明確化が進んでいます。これらの動きが、セルフ式SSの無人化と安全運用を現実的な選択肢へと押し上げています。
期待される効果と導入検討のポイント
本システムの導入により、人による常時監視を不要とし、従業員はAIがリスク行為を検知した場合のみ対応する運用が可能になります。これにより、監視に割いていた人員を他の高付加価値業務へ再配置でき、業務効率化が期待されます。安全面では、給油許可後も継続監視を行う設計が事故リスクの低減に寄与します。導入の検討にあたっては、レーン配置やカメラ設置条件が異なる環境でも検証されている点が参考になります。積雪地域での安定運用が実証されているため、気象条件の厳しいエリアでも運用の見通しが立てやすくなります。今後は試験確認証明書の取得を経て全国展開が予定されており、運用と管理体制の整備が重要な論点となります。
詳しくは「株式会社ELEMENTS」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















