日本マイクロソフト株式会社は、日経225を構成する企業の87%が業務でAIエージェントを活用していると明らかにしました。活用企業の100%が社内の市民開発でカスタムAIエージェントを利用しており、個社の業務に合わせた最適化が進んでいます。Microsoft AI Diffusion Report 2026では、日本のAI利用率が世界平均の3倍を超える伸びと示され、エージェントの利用拡大に追い風となっています。AIはチャットボットから進化し、指示に沿う自動化や一定範囲の自律実行へ能力を拡張しました。Copilot Coworkやプレビュー段階のMicrosoft Scoutがその代表例で、実際の業務での活用が進んでいます。個人の生産性向上にとどまらず、組織の知識を活用して成果を生む段階への移行が示されました。
マイクロソフトは自社を実験の最前線とする「カスタマーゼロ」の取り組みを進めています。社員が自身の業務課題に即したAIエージェントを構築し成果を共有するCopilot Agent Contestを実施し、実務で機能する多様なエージェントが生まれました。問い合わせ対応では、ナレッジに基づく一次回答、未解決時の専門チーム引継ぎ、回答の自動蓄積まで担うエージェントをCopilot Studioで構築しています。半年の試行で人手対応件数は1/12に減少し、専門チームの対応内容が毎月約20件の新規ナレッジとして追加されました。サポート窓口では業務を分解し、回答と追加ヒアリング支援、公開情報での解決可否判定、適切な問い合わせ先の特定という三つの独立エージェントをAgent Builderで作成しました。お客様環境での展開例では、問い合わせ対応費用が半年で約1億円削減されたとされています。
社外での活用も広がっています。りそなグループは、業務部門の担当者がMicrosoft Copilot Studioで市民開発を行い、融資、住宅ローン、企業年金、iDeCoの四領域で照会業務を代行するエージェントを構築しました。ルーティンな問い合わせをエージェントが担うことで、担当者はより付加価値の高い業務へ時間を振り向けられるようになりました。株式会社INPEXは、Microsoft 365 Copilotを全社的なAI活用基盤として導入し、社員がCopilot StudioやCopilot Agentを用いて業務支援エージェントを自ら構築しています。情報収集や調査など反復的な業務への組み込みにより、マイクロソフトのダッシュボード上の試算で年間約20億円以上の効果が見込まれています。これらの事例は、エージェントが仕分けや情報収集を担い、人が複雑な判断や顧客対応に集中できる環境の実現につながっていることを示しています。
働き方の意識にも変化が見られます。Microsoft Work Trend Index 2026では、AI利用者の58%が一年前には実現できなかった成果を出せているとし、日本では43%が同様の実感を示しました。一方で、AIに迅速に適応しなければ取り残される不安を感じる人は65%で、日本は66%でした。目の前の目標達成を優先する回答は45%で、日本では30%にとどまっています。成果を左右するのは組織的な要因とされ、リーダーの方針や実験を後押しする文化、マネージャーの実践、スキル習得と実践機会の提供など、学び続ける仕組みの整備が重要とされています。エージェントを実務で機能させるには、企業固有の業務、データ、知識、プロセスを信頼できる形で結びつける基盤が欠かせません。Microsoft IQは、Microsoft 365に蓄積された仕事情報や企業データ、ナレッジをつなぎ、エージェントが文脈を理解して支援や実行できるよう設計された基盤です。
AIエージェント活用が広がる背景には、モデル能力や日本語品質の向上、エコシステムの拡大、複雑で専門的なタスクへの対応力があげられます。日経225企業における活用の広がりは、AIが個人支援から組織知の活用へ進化している兆しと言えます。まずは問い合わせ対応やサポートなど反復性が高い領域からエージェントを導入し、ナレッジの自動蓄積と再利用を前提に設計することが効果的です。社内の市民開発を促進し、成果と学びを共有する場を設けることで、短期の費用削減と長期の知見拡充の両立が期待できます。日本マイクロソフト株式会社は、技術とソリューションの提供に加え、自社の実践から得た知見の共有やパートナーとの連携を通じて、日本のAI活用推進に取り組むとしています。
詳しくは日本マイクロソフト株式会社の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















