政府は、デジタルの活用で一人ひとりのニーズに合ったサービスを選べる社会を掲げ、誰一人取り残されない人に優しいデジタル化を進めます。推進方針は成長戦略、準公共分野、地域活性化、包摂、人材、国際戦略の6本柱を維持します。AIなどの技術進展に合わせ、ルールや組織を変化前提で運用する責任あるアジャイルガバナンスを志向します。これまでに、ガバメントクラウドとGSSの整備で約7万職員が利用し、国内クラウド事業者も採択されました。マイナカードは人口の約8割に普及し、マイナポータルは約8,500万人が登録しています。GビズIDは約3分の1の法人が取得し、アナログ規制見直しは99%完了と示されています。
現状認識と課題 人口減少と新技術の台頭、サイバー脅威への即応が必須
地方を中心に人口減少と人手不足が深刻化し、生産年齢人口は2050年までに25年比でマイナス25%とされます。2040年にはAIやロボット利活用人材が約340万人不足との推計が示され、行政や企業での人材育成が必要です。生成AIやAIエージェントの急進展により、セキュリティに配慮しつつ最大限活用して経済成長へつなげる方針です。世界の生成AI市場は2030年に50兆円以上との推計があり、活用促進の重要性が示されています。サイバー空間の脅威は2015年から2024年で通信数が約11倍に増加し、セキュリティ対策の高度化が急務です。こうした情勢に対応するため、国と自治体、準公共分野、経済領域を横断した取組の一体推進が強調されています。
今後の取組の骨子 AXを軸に行政・地域・経済を加速し自律性と強靱性を強化
AIを前提に意思決定や業務を見直すAXをDXと一体推進します。AIエージェントの徹底活用により、自律型で提案型の行政サービスを実現し、AI駆動型国家を目指します。政府が初期需要を提供して国内技術の育成や自律性を高め、サイバーセキュリティの強化など危機管理投資にも取り組みます。四つの柱として、国のAX基盤、自治体のAX基盤、国民の暮らしのAX推進、経済成長の加速を設定します。横断的には、セキュリティ、人材の確保・育成、デジタル・AIへの受容性の向上、推進体制の整備を進めます。短期から中期にかけては、公共SaaSやデータ連携でフロントとバックの一体化を図り、ワンストップ化や自動処理化の実装を段階的に展開します。
国のAX/DX基盤 ガバメントクラウド高度化と給付インフラ整備、ベース・レジストリ推進
政府システムはセキュリティ、耐災害性、利便性の向上を図り、AI利活用に関するガバナンスや調達ガイドラインを改定します。国民や企業のAIエージェントからデジタル庁システム等へのアクセス検討も進めます。法人、不動産、アドレスの各ベース・レジストリの整備と利活用を促進し、法規的告示のデータ提供も進展させます。給付の公正性と迅速性を高めるため、情報提供NWS、給付支援サービス、公金受取口座システム、ADAMSⅡなどに2026年度から着手し、新たな給付は公金口座保有を前提とする制度設計とします。外国人政策では、社会保険や税の納付状況を在留・入国審査に活用し、出国時活用の検討も進めます。
自治体のAX/DX基盤 標準化、クラウド移行とAIエージェントでワンストップ化を推進
自治体基幹業務は標準化とガバメントクラウド移行を進め、運用最適化や所期効果の可視化、特定移行支援の継続にも取り組みます。標準化法に基づく取組の課題検証を行い、改善策を検討します。AIエージェントを用いた自律型・提案型サービスの実現に向け、公共SaaSの効率的開発を可能にするベンダー向け開発基盤を検討し、認証IDやデータ形式の初期設定を整えます。フロントとバックヤード、業務システム間で申請情報の自動連携を進め、給付や介護などでRules as Codeの推進を図ります。ネットワークの全体最適とゼロトラスト導入支援、連絡協議会による国・地方の共通基盤整備も計画されています。
国民の暮らし 医療、防災、交通まで幅広い準公共分野のDXを前倒し
マイナカードは官民での活用を進め、スマホ搭載や次期マイナ、外部AIエージェントと連携するMCP、マイナアプリ、モバイル運転免許証の検討を進めます。Gビズポータルは正式版の構築と機能拡充を進め、電子ロッカー機能やJグランツ、e-Gov連携を図ります。医療DXは電子カルテの本格導入とクラウドネイティブ化を推進します。E2Eなど最新自動運転の社会実装と量産化の加速、こども・子育て・教育分野での安全かつ主体的なAI活用環境整備も含まれます。防災分野ではSOBO-WEBとLアラートの連携を進め、税務、農業、空き家、不動産、地域交通、建築・都市など各分野のDXを展開します。
経済成長の加速 AIソブリンティ、国産クラウド活用、PQC移行とOSS推進
内外のLLMを柔軟に組み合わせ、データから運用まで自律性と代替性、耐遮断性を確保します。LLMの性能評価やモデル選択を可能にする基盤を整備し、国産クラウドを率先利用して国内事業者の技術力育成を図り、暗号鍵は国内で生成します。官民での耐量子暗号への移行を進め、移行ノウハウの取得を検討します。OSSの利用を推進し、政府システムの自律性と経済性の向上を図ります。あわせて、先端・次世代半導体の国内開発・製造能力の確保、データセンター立地環境、国産マルチモーダル基盤モデル開発、オンチェーン金融の推進など、AI等の基盤構築に向けた民間投資環境を整備します。
横断的取組 セキュリティと人材、受容性向上、推進体制を強化
サイバー分野では、AI性能高度化を踏まえた対策強化としてProject YATA-ShieldやCOSMOSによる監視・分析を進め、自治体のサプライチェーンリスク対策や医療機関・中小企業の外部接続点管理支援、国内供給力強化、人材育成を推進します。人材面では、230万人目標の達成状況を踏まえた次期目標を策定し、スキルプラットフォームの整備やAI研究者・開発者の確保、教育カリキュラムの高度化に取り組みます。受容性向上では、デジタル推進委員の活動促進、郵便局の活用、なりすまし広告詐欺や偽・誤情報対策、サイバー犯罪防止、サイバーハイジーンとアクセシビリティの向上を掲げます。推進体制は、デジタル庁の人員・組織強化、AI・デジタル改革推進会議への改組、費用対効果レビュー強化や共通機能活用の徹底で底上げします。
ベース・レジストリ整備計画 法人・不動産・アドレスの品質と提供時期を明確化
公的基礎情報データベース整備改善計画では、法人レジストリで実質的支配者情報など登記以外の整備項目を検討します。不動産レジストリはR9年度末に地図情報、R10年度中頃に登記情報の提供を目指し、R10からR11年度に順次提供と利用促進を行います。土地所有等情報の把握に向け、R10からR11年度にデータ整備を進め、行政機関には国籍情報を含む土地所有等情報を必要な場合に提供し、国民には匿名化と統計化に配慮した情報を公開します。アドレスレジストリは町字より下位の情報について、住居表示業務のシステム共通化の業務検証を行います。これらの整備で、添付書面の省略や登記情報確認などのユースケースが進み、5年間合計で408.7億円の政策効果が見込まれるとされています。
詳しくは「デジタル庁 デジタル社会の実現に向けた重点計画」(https://www.digital.go.jp/policies/priority-policy-program?utm_source=chatgpt.com)を加工して作成






















