茨城県取手市は、市民相談窓口などでAIを活用したカスタマーハラスメント対策システムの運用を正式に開始します。運用開始日は令和8年10月1日で、対象は本庁舎2階の市民協働課前相談室と新庁舎1階の健康福祉部の面談室です。令和7年11月から約3カ月にわたるテスト運用を経て、抑止力の発揮や相談職員の心理的安全性の確保、相談履歴管理による対応品質の向上が期待できることから正式導入に至りました。背景には、令和8年10月1日施行の改正労働施策総合推進法で、自治体を含む組織にカスハラ防止の措置が求められることがあります。自治体初とされるリアルタイム監視を伴う対面のカスハラ対策は、株式会社アドバンスト・メディアの調べによるものです。取手市長の中村修氏は、発話の内容と感情を可視化できることが安心につながると述べています。
システムの特徴と導入経緯
導入するシステムは、不適切な言葉や感情の昂りなどの異常を検知すると別室の職員にアラートを通知します。室外の管理職に対してヘルプ要求が可能で、AI音声認識により相談内容をリアルタイムでテキスト化し、室外でモニタリングする職員と共有します。相談記録の保存や履歴管理に対応し、キーワードに応じた関連資料の自動表示機能も備えています。キーワードは厚生労働省のマニュアルをベースに自治体独自の追加が可能です。取手市は株式会社アドバンスト・メディアとの連携協定のもと、令和7年11月から市民相談窓口と健康福祉部の面談室でテスト運用を実施しました。閉鎖的な空間での相談に伴う精神的プレッシャーや、複数人対応が難しい場面という課題に対応するため、令和8年10月からの本格運用に踏み切ります。技術連携協定は令和3年4月に締結し、令和6年4月1日に再締結されています。
実務に向けた活用のヒント
自治体窓口や対面相談では、検知キーワードとアラートの運用ルールを具体化し、室外の管理職が即応できる連携体制を設けることが重要です。相談内容のテキスト化と履歴管理は、申し送りや研修資料の整備に活かせます。関連資料の自動表示機能は、手続き案内や日程周知の抜け漏れ防止に寄与します。テスト運用の期間を設け、現場の課題に合わせてキーワードの調整や通知閾値の見直しを行うと、誤検知の低減と実効性の向上が期待できます。導入場所を段階的に拡大し、閉鎖空間での不安解消と職員の心理的安全性の確保を両立させることが有効です。組織としての運用ポリシーを整え、相談者と職員双方が安心できる環境づくりを進めることが求められます。
詳しくは「取手市役所 総務部 情報管理課 デジタル化推進室」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















