株式会社帝国データバンクは、公立・国立を除く一般病院の2025年度損益動向を約800法人で集計し、営業損益が赤字の病院が57.4%だったと示しました。前年度の61.7%からは改善したものの、依然として約6割が赤字で、診療所の45.8%を上回りました。債務超過の割合は13.6%で、2024年度比1.3ポイント上昇し3年連続で増加しました。営業利益率平均は病院でマイナス1.16%と3年連続の赤字で、診療所も0.93%と過去20年で最低でした。地域別では29都道府県中23都道府県で赤字が半数超となり、山口県が75.8%で最も高く、秋田県72.7%、愛知県71.4%が続き、東京都57.5%や大阪府50.9%など大都市圏でも厳しさが見られました。入院と外来の診療件数は回復し医業収益は増えた病院が多い一方、人材確保競争の激化や薬品や医療資材、給食材料費の上昇が続き、価格転嫁の難しさから増収効果が相殺される状況が続いています。
地方の病院では医師や看護師の不足が深刻化し、少人数の退職で病棟運営が危機に陥る事例が見られ、老朽化に伴う建て替えが減価償却負担を増やし、診療件数が回復しても利益計上に至らないケースが多いとされます。2026年度は診療報酬本体が3%超のプラス改定となり、賃上げ支援や物価高対策が一定の収益改善をもたらす見込みです。病床稼働率の回復や在宅医療、地域包括ケア、リハビリテーションの需要拡大も追い風となります。他方で、人材確保競争が続けば人件費増が増収効果を上回る懸念があり、赤字や債務超過の改善が進まない可能性があります。今後は診療件数や病床数の確保に依存しないモデルへの転換が必要とされ、機能分化と連携の強化、生産性向上、人材定着施策が重要です。ICTやAIの活用、在宅医療や介護との連動、高付加価値医療への機能転換が進む病院とそうでない病院の間で、経営格差が拡大する可能性があります。
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