MENU

ニュース

金魚をむしばむ“松かさ病”の正体に迫る 研究が示した治療への第一歩に注目

  • URLをコピーしました!

飼い主が最も怖がる金魚の病気「松かさ病」。ジェックスと東海大学の研究は、原因菌の特定と体内で起きる変化を明らかにし、将来的な治療や予防製品の開発につながる可能性を示しました。愛魚を守る第一歩です。 

学会発表が示した治療と予防への道筋 

ジェックス株式会社は東海大学と共同で、奈良県の養魚場から松かさ病を発症した金魚を採取し、細菌の同定と病理(からだの組織を顕微鏡で調べること)を行いました。細菌の種類は遺伝子を使って調べる方法で確認され、多くの個体からはAeromonas veronii(エロモナス ベロニー)という細菌が見つかりました。これは、すべてを説明する単一の原因ではないかもしれませんが、治療や予防のターゲット候補として重要な手掛かりです。 

組織の観察では、鱗(うろこ)の根元にある鱗嚢という部分に水がたまる「浮腫(むくみ)」が顕著に見られました。腎臓や卵巣、鰓(えら)にも異常が出ており、松かさ病は見た目だけでなく内部の器官にも影響する全身的な病気であることが分かりました。教科書でよく挙げられるA. hydrophila(エロモナス ハイドロフィラ)は今回一貫して検出されず、菌の種類や株ごとの違い、さらには水温や水質といった環境要因が影響している可能性が示唆されます。 

研究チームは今回の成果を学会で発表し、今後もサンプリングを続けて菌の詳細分類を進めると明言しています。ジェックスはこれらの知見をもとに、早期発見の手がかりや予防・治療に役立つ製品開発を目指すとしています。今回の研究は「原因を見える化」することで、将来的に飼い主が自宅で早く対処できる診断法や、効果的な予防剤・管理法につながる期待を高める内容です。 

遺伝子解析と組織観察の併用は、観賞魚の病気対策を現実的に前進させます。継続的な調査と環要因の検証が、実用的な治療・予防製品の実現を左右します。 

詳しくは「ジェックス株式会社」の公式ページまで。  
レポート/DXマガジン編集部 

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • 企業風土の礎
  • 日本オムニチャネル協会

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる