レンズアソシエイツは2022年5月31日、テレワーク下における部門間対立の実態調査結果を発表しました。全社的にテレワークを実施する、従業員数100名以上の企業の経営者・役員102名に聞いた結果です。
部門間の対立やわだかまりを感じているかを聞いた結果が図1です。
「ややある」が40.2%でもっとも多く、「かなりある」(23.5%)を加えると、6割強の人が対立やわだかまりを感じていると回答しています。「あまりない」(26.5%)と「全くない」(8.8%)を合わせた割合は4割弱に留まっています。
では、どんな場面で対立やわだかまりを感じたのか。「かなりある」「ややある」と答えた人に聞いた結果が図2です。
もっとも多かったのは「部門間のコミュニケーションが少ない」(66.2%)でした。「自部門(部署)の利益ばかりを重視している」(60.0%)、「各部門が同じ方向を向いていない」(47.7%)が続きます。
そのほか、自由回答には次のケースもありました。
・他部署の動きに関心がない、知らない社員が居る。
・部門によって重視することがことなる。人材育成だったら、営業成績だったり、稼働率だったり、安全だったり。系統(事務、財務、人事、技術、営業)によって評価される指標が異なる。
・利益が相反する業務での推進でよく見られるが、自部門の利益を追求する為に全体利益の最大化が得られない。
・商品開発時の考え方やその違い。
・新しいプロジェクトの主導権争い。
・予算の段階でバランスが悪い。
・新設部門に対して他所者扱いする傾向がある。 テレワークを実施したことで、部門間の対立への危機意識は高まったかを聞いた結果が図3です。
・他部署の動きに関心がない、知らない社員が居る。
・部門によって重視することがことなる。人材育成だったら、営業成績だったり、稼働率だったり、安全だったり。系統(事務、財務、人事、技術、営業)によって評価される指標が異なる。
・利益が相反する業務での推進でよく見られるが、自部門の利益を追求する為に全体利益の最大化が得られない。
・商品開発時の考え方やその違い。
・新しいプロジェクトの主導権争い。
・予算の段階でバランスが悪い。
・新設部門に対して他所者扱いする傾向がある。 テレワークを実施したことで、部門間の対立への危機意識は高まったかを聞いた結果が図3です。
もっとも多いのは「あまり高まってない」で40.2%でした。「全く高まってない」(20.6%)を合わせると、約6割の人が危機意識は高まってないと感じています。「かなり高まった」は15.7%、「やや高まった」は20.6%でした。
テレワークの実施で危機意識が高まった理由は何か。前問で「かなり高まった」「やや高まった」と答えた人に聞いた結果が図4です。
もっとも多かったのが「部門の垣根を越えたコミュニケーションが難しくなったから」(70.3%)でした。2位には「テレワークで社員の様子が見えづらいから」(62.2%)、3位には「自分自身、社員とのコミュニケーションの機会が減っているから」(45.9%)が入っています。
そのほか、自由回答には次の理由もありました。
・利益率も落ち込み、士気が上がらない。
・業務連携がしにくくなった。
・仕事以外の交流が減った。
・感情が見えない。
・対立ではないが、無関心になっている。 では、部門間の対立やわだかまりを解消するための施策を実施しているのか。その結果が図5です。
・利益率も落ち込み、士気が上がらない。
・業務連携がしにくくなった。
・仕事以外の交流が減った。
・感情が見えない。
・対立ではないが、無関心になっている。 では、部門間の対立やわだかまりを解消するための施策を実施しているのか。その結果が図5です。
結果は「ある」が70.9%を占め、「ない」(20.0%)を大きく上回っています。
もっとも、その施策に効果はあったのか。効果の有無を聞いた結果が図6です。
「ややあった」が45.7%と半数近くを占めています。「かなりあった」(21.7%)を合わせると、7割近くの人が、対立・わだかまり解消の施策が有効だったと捉えています。
「かなりあった」「ややあった」と答えた人は、具体的にどんな施策を実施したのか。主な自由回答の結果は次の通りです。
・部門間の壁を無くす為、評価基準を変えた。
・各部門を横断して実施するプロジェクトを立ち上げ、定期的に意見交換をする場を設けて活動をしている。その部分については皆協力的な姿勢を見せて動いてくれている。
・定例会議。
・人事交流異動。
・リモートでの懇親会など。
・出社を推奨した。
・フリースペースにお菓子と飲料を置いた。
・コミュニケーションツールの導入と部門長以下の使用率のトレースと指導。チーム毎の成果指針を決めたこと。
・挨拶運動。 テレワークを実施したことにより、部門間の対立・わだかまりを解消するのは難しくなったのかを聞いた結果が図7です。
・部門間の壁を無くす為、評価基準を変えた。
・各部門を横断して実施するプロジェクトを立ち上げ、定期的に意見交換をする場を設けて活動をしている。その部分については皆協力的な姿勢を見せて動いてくれている。
・定例会議。
・人事交流異動。
・リモートでの懇親会など。
・出社を推奨した。
・フリースペースにお菓子と飲料を置いた。
・コミュニケーションツールの導入と部門長以下の使用率のトレースと指導。チーム毎の成果指針を決めたこと。
・挨拶運動。 テレワークを実施したことにより、部門間の対立・わだかまりを解消するのは難しくなったのかを聞いた結果が図7です。
「非常にそう思う」が53.4%で半数を超えました。「ややそう思う」(33.3%)を合わせると9割近くの人が、テレワークが部門間の対立解消を難しくしていると感じています。
調査を実施したレンズアソシエイツによると、部門間の対立やわだかまりはコミュニケーション不足が主な原因だと考えられます。さらに、企業として部門ごとに役割分担を図ることが求められるが、部門の役割を重視すればするほど対立を生みやすい傾向であると指摘します。全部門の共感を得る施策が必要だと同社は提言しています。
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