帝国データバンクは2022年11月28日、リスキリングに関する調査結果を発表しました。リスキリングの取り組み内容や、DXの取り組み状況とリスキリングの関連性などを調べています。
リスキリングの取り組み状況を聞いた結果が図1です。
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「取り組んでいる」は48.1%で、「特に取り組んでいない」(41.5%)を上回りました。
DXの取り組み状況別に見た結果が図2です。
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DXに取り組んでいる企業の場合、「リスキリングに取り組んでいる」と答えた割合は81.8%を占めます。DXに取り組んでいない企業の場合、「リスキリングに取り組んでいる」と答えた割合は32.2%にとどまります。DXに取り組む企業はリスキリングにも積極的に取り組んでいることが調査から窺えます。
リスキリングの取り組み内容を聞いた結果が図3です。DXに取り組む企業と取り組んでいない企業別に聞いています。
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DXに取り組む企業の場合、「新しいデジタルツールの学習」が56.8%でもっとも高い割合を占めます。DXに取り組まない企業の場合、もっとも高かったのは「経営層による新しいスキルの学習、把握」(41.5%)でした。「経営層から従業員に学習が必要なスキルを伝達」(29.1%)も比較的高いことから、DXに取り組んでいない企業では、経営層がまずはリスキリングでスキルを習得しようと考える傾向が読み取れます。
一方、DXに取り組む企業は、日々の業務に直結するツールやサービスを学ぼうとする取り組みが上位に入っています。
リスキリングの取り組み状況を企業規模別に見た結果が図4です。
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大企業の場合、「リスキリングに取り組んでいる」と答えた割合は60.4%を占めます。中小企業の場合、その割合は45.8%にとどまります。具体的な取り組み内容を見ると、「新しいデジタルツールの学習」は大企業が58.1%、中小企業が46.0%で12.1ポイント開いています。「eラーニング、オンライン学習サービスの活用」は大企業が39.6%、中小企業が25.4%で14.2ポイント開いています。調査を実施した帝国データバンクによると、新しいデジタルツールやeラーニングの導入には、一定の資金や人的コストを要することから、他項目に比べて規模による取り組み状況の差が顕著に表れたと分析します。
実際に調査では、中小企業から「DX対応のシステム構築やソフト購入費用が高すぎる。コストに見合う成果が発揮できるか疑問」という費用面を課題と捉える声もありました。「デジタルツールは推進担当者だけでなく、一般社員も活用できなければ意味がないため導入に踏み切れない」いう人材面の課題も聞かれました。
従業員数規模別に見たリスキリングの取り組み状況が図5です。
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従業員数が1000人以上の企業では、リスキリングに取り組む割合は74.0%でした。一方、従業員数が5人以下の企業では、取り組む割合は37.3%にとどまります。従業員数に比例してリスキリングに取り組む割合が高くなっていることが分かります。
業種別に見たリスキリングの取り組み状況が図6です。
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リスキリングに取り組む業種は、「広告関連」(69.2%)、「情報サービス」(67.5%)、「金融」(62.1%)が上位を占めます。同業種の企業からは、「DX事業を主軸にした事業部を作り投資を行っている」、「画面共有による指導が一番効果があると考え、システム化、クラウド化によるレベル向上を毎年進めている」などの声がありました。
一方、下位は「娯楽サービス」(34.2%)、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」(38.6%)、「メンテナンス・警備・検査」(39.2%)でした。同業種の企業からは、「リスキリングは必要に迫られた段階で検討。DX推進は現在考えられる以上の費用対効果が見込まれた場合に検討」、「自社のビジネス形態に適応するDX推進方法を相談できるところが解らない」などの声がありました。
リスキリングの取り組み内容を業種別に聞いた結果が図7です。
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「従業員のデジタルスキルの把握、可視化」の取り組み内容の場合、「広告関連」が51.4%と全業種で最も高い割合でした。2位の「精密機械、医療機械・器具製造」(44.1%)と大きな開きが見られました。
「DX、デジタル化に関連した資格取得の推奨、支援」の取り組み内容の場合、「情報サービス」が42.9%と全業種で最も高い割合でした。帝国データバンクによると、基本情報技術者などの国家資格取得が業務と密接に関連していることが背景にあるといいます。
一方、経営層が主体となる「経営層による新しいスキルの学習、把握」や「経営層から従業員に学習が必要なスキルを伝達」の場合、いずれも「旅館・ホテル」と「飲食店」が上位に入り、他の取り組み内容との違いが際立っています。
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