調査・リサーチ

    2022.06.03

    管理部門、「DXをしっかりと理解」は2割以下/ソントレーゾ調べ

    ソントレーゾは2022年5月26日、企業の総務、人事、経理など管理部門を対象とした「管理部門のDX」に関する調査結果を発表しました。DXについての理解度や、管理部門や社内全体でのDX推進の取り組みと、業務の効率化の状況などを調査しました。

     ソントレーゾは、米Microsoft社が提供している「Power Platform」の活用支援など、企業DXの支援サービスを展開しています。同社は今回、「管理部門のDX」に関する調査を実施しました。調査の概要は、以下の通りです。

    【調査概要:「管理部門のDX」に関する調査】
     ・調査期間:2022年4月8日(金)~2022年4月9日(土)
     ・調査方法:インターネット調査
     ・調査人数:1,027人
     ・調査対象:企業の管理部門(総務、人事、経理など)に従事している方
     ・モニター提供元:ゼネラルリサーチ

    ●DXについて半数近くが「理解している」、ただし「しっかりと理解している」は2割以下
     まず、DXについて「どの程度理解していますか?」と質問しました。その結果は、以下のようになりました。

    ・「内容までしっかりと理解している」:18.9%
    ・「名前の意味と内容は大体理解している」:29.9%
    ・「名前は知っているが意味や内容はよく知らない」:22.7%
    ・「名前だけ聞いたことがあるが意味や内容は全く知らない」:13.2%
    ・「名前も聞いたことがない」:15.3%
    図1:DXについて「どの程度理解していますか?」/ソン...

    図1:DXについて「どの程度理解していますか?」/ソントレーゾ調べ

     「理解している」と半数近く(48.8%)が回答していますが、「しっかりと理解している」という回答は2割にも達していません。一方で、「よく知らない」「全く知らない」「聞いたことがない」という回答は、全体の半数を超えました(51.2%)。DXについて、見聞きする機会は増えたものの、内容についての理解度はまだ低いと推察されました。

    ●管理部門でのDX推進状況と業務の効率化
     次に、今回の回答者の属する「管理部門」に限定する形で、「DXを推進しているか?」をたずねました。その結果、過半数(56.9%)が「はい」と回答しました。
    図2:DXの推進と業務の効率化/ソントレーゾ調べ

    図2:DXの推進と業務の効率化/ソントレーゾ調べ

     「DXを推進している」との比率は、前問の結果でDXを「理解している」との回答比率を上回りました。そのことから、多くの管理部門の現場では、DXを「知らない」とした回答者もDXに取り組んでいる、と読み取れます。それだけDXが浸透しているとも、また、理解が追いついていない現状が浮き彫りになった結果とも推察されています。

     DXへの理解が足りなくても取り組むのは、「効率化」などのメリットが期待できるからでしょう。そこでDXを推進しているとした回答者に、DXによる効果に関する質問も行いました。

     「DX推進によって、どのような業務が効率化しましたか?」と、複数回答で質問したところ、以下のような回答が上位になりました。

    ・「各種書類の管理」:50.0%
    ・「転記や集計、計算などの作業」:47.8%
    ・「情報管理(顧客情報、社内情報を含む)」:46.1%

     「書類管理」「集計」「情報管理」に、多くの回答が集まりました。これらはいずれも、DXが持つ大きなメリットだと言われています。調査の結果で、実際の業務においても効率化に貢献していることが分かりました。

     なお、「DXによる業務の効率化」については、さらに具体的な内容もたずね、以下のような回答を得ました。
    ■DXによる業務の効率化、うちではこんなメリットがありました!/ソントレーゾ調べ
    ・契約書などの管理面が楽になる(20代/女性/千葉県)
    ・社員同士の連絡がスピーディになった(20代/男性/東京都)
    ・電子印鑑導入、ペーパーレス化によるコスト削減(30代/男性/石川県)
    ・社員研修をWebで行うことで、時間と旅費を削減した(30代/男性/静岡県)
    ・セキュリティー面の強化。コンプライアンス面の強化(40代/男性/東京都)
    ・在宅でも作業できることが増えた(50代/女性/東京都)
     連絡や管理業務のコスト削減、旅費削減といった回答が多く集まりました。また、コロナ禍で浸透した在宅ワークにおいても、DXはメリットがあることが回答から伝わりました。

    ●「DXが進まない理由」は、せっかくツールを導入しても、それを使いこなせる人が少ない?
     次に、社内におけるDX推進の取り組みを調査しました。まず、社内全体におけるDX推進の程度についてたずねた結果が、以下の図です。
    図3:「社内全体の環境でみると、どのくらいDXを推進で...

    図3:「社内全体の環境でみると、どのくらいDXを推進できていますか」/ソントレーゾ調べ

     「全ての部署で推進できていない(26.4%)」、「一部の部署で推進できている(21.9%)」を合わせると半数近く(48.3%)の回答となりました。特に、「全ての部署で推進できていない」という回答は、全体の4分の1を超えました。そのことから、社内のDX推進について、取り組みの不足を感じている回答者が少なからず見られました。

     またDX推進のための、ITシステムやツールなど、設備面に関する社内の取り組みについても調べました。「社員のITスキルが必要なシステムやツール類がどのくらいあるか」たずねた結果は、以下のようになりました。

    ・「とても多い」:14.4%
    ・「やや多い」:49.5%

     半数を大幅に超えて、システムやツール類について「多い」と感じていることが分かりました。次に、それを使う人材面について、「最新のシステムやツールを使いこなせる社員はどのくらいいるか」たずねました。その結果は以下のようになりました。

    ・「やや少ない」:38.0%
    ・「とても少ない」:8.2%

     つまり半数近く(46.2%)が「少ない」と回答しました。DX推進に向け設備面のIT化は進んでいるものの、それを使う人材面については不足に悩んでいるのが企業の現状のようだと推察されています。
    図4:DX推進で設備面および人材面での取り組み状況/ソ...

    図4:DX推進で設備面および人材面での取り組み状況/ソントレーゾ調べ

    ●現段階でDXが進んでいない部署は今後もあまり積極的ではない?
     DXをまだ推進していない企業や部署は、どのような課題を抱えているのでしょうか。「DXを推進していない部署は、どのように業務しているのか?」質問したところ、以下の項目が7割近くの回答を得ました。

    ・「従来のアナログな業務のままとなっている」:67.9%

     では、アナログな手法を続ける部署は、どうしてDXを推進しようとしないのでしょうか。「積極的にDXを推進していない理由」をたずねた結果、以下が上位の回答となりました。

    ・「IT知識がある社員が少ない」:34.4%
    ・「最新のツールを扱えない」:25.8%
    ・「DXに無関心な社員が多い」:23.0%
    図5:DX推進に取り組んでいない部署とその理由/ソント...

    図5:DX推進に取り組んでいない部署とその理由/ソントレーゾ調べ

     ここでも、DXに対応できる人材の不足について最も多くの回答が集まりました。また「最新のツールを扱えない」「DXに無関心な社員が多い」という回答も、「人」に関する課題です。そのことからDXの課題はやはり、システムやツールというよりは「人」に関するものが多いと推察されました。

     とはいえ、システムやツールのIT化が進まなければ、いくらIT人材を確保したり育成したりしても、DX推進は実現不可能だとしています。最後に、「DX推進に向け、社内にシステムやツールなどを導入する予定はありますか?」と質問したところ、「現在、経営層と検討中である(時期も未定)(42.8%)」との回答が最も多く、次いで「現在その予定はない(36.7%)」が続きました。

     8割近くが、DX推進について「時期未定」「予定はない」と回答しました。DXにおける「人」の課題は、導入意欲にも大きな影響を与えていると言えるかもしれないと分析されました。
    あわせて読みたい編集部オススメ記事
    16 件
    〈 1 / 1 〉

    Related

    調査・リサーチ