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女性の活躍は本当に進んでいる? ワークポートが人事担当向けの調査結果を発表

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転職エージェントのワークポートは2022年6月15日、「女性活躍推進」に関する調査の実施結果を発表しました。「女性活躍推進法」が4月から改正されたことを受け、企業の人事担当者を対象に実施されました。

 「働きたい女性が個性と能力を十分に発揮できる社会」の実現を目指し、女性活躍推進法が2016年に成立しました。法改正により義務の対象が拡大され、2022年4月からは101~300人以内の事業主にも適用されています。  実際に、女性が活躍できる職場環境が整っている企業はどの程度あるのでしょうか?  ワークポートは今回、企業でどの程度、女性活躍推進の取り組みが実施されているのかなど、「女性活躍推進」に関するアンケート調査を実施しました。調査の概要は、以下の通りです。 ・調査内容:女性活躍推進の実態について
・調査機関:自社調査
・調査対象:ワークポートを利用している全国の企業(100名以下~5000名以上)の人事担当者
・有効回答:139人
・調査期間:2022年4月12日~4月19日
・調査方法:インターネット調査
※データは小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。  調査結果として、以下のような要点が挙げられています。 ●女性活躍推進に取り組んでいる企業は約半数(54.0%)
●女性活躍推進には、56.8%が「ネックあり」と回答:推進に割ける人員・時間の不足、女性活躍への意識の低さ
●女性管理職の比率は半数以上が10%以下、7割が女性管理職の少なさを課題と認識
●女性活躍にはメリットが多いと82.7%が回答:男女平等には女性の活躍が必須
 以下に、それぞれの調査結果を説明します。 ●【女性活躍推進状況】取り組んでいる企業は54.0%という結果に
 100名以下から5000名以上のさまざまな規模の企業の人事担当者に、まず「女性活躍推進の取り組みをしているか」たずねました。その回答結果は以下のようになりました。 ・「取り組んでいる」:54.0%
・現在取り組んでいないが「これから取り組む予定」:7.9%
図1:「女性活躍推進の取り組みをしているか?」/ワーク...

図1:「女性活躍推進の取り組みをしているか?」/ワークポート調べ

 「取り組んでいる」と回答した企業に、取り組みの内容を聞いたところ、以下のような回答が多く見られたとのことです。
回答(抜粋) 取り組み方
・「従業員に占める女性の割合を増やす」(コンサルティング・調査・士業)など 女性の採用率を上げることを目指す
・「成果主義の徹底による女性の役職者登用」(建築関連企業)など 女性管理職の比率を増やすよう努める
女性の管理職希望者を増やすために、女性向けの研修や説明会を実施し、管理職に対する不安を払拭するよう工夫する
・「産休育休の制度設計、実績強化」(システム開発・情報通信) 制度や福利厚生を充実させ、働きやすさの向上に努めている
・「産前産後休暇、ベビーシッター補助などの福利厚生」(Webサービス・広告・コンテンツ制作)
・「テレワーク勤務および時短勤務の導入」(ネットワーク・サーバー構築)
厚生労働大臣が女性活躍や子育てサポートの促進などに積極的な企業を評価する認定制度「えるぼし」や「くるみん」の認証に向けた取り組みを通じて、推奨される女性活躍の環境を整える
・「女性人材の積極採用、役職者への登用」(サービス・アミューズメント)
・「育児休暇取得推進、フレックス、リモートワークの導入」(システム開発・情報通信)
・「新卒採用における具体的な女性採用目標数の設定」(システム開発・情報通信)
     …など
●【女性活躍推進のネック】56.8%がありと回答:推進に割ける人員・時間の不足、女性活躍への意識の低さ
 また、人事担当者全員に、「女性活躍の取り組みを推進するにあたってネックはあるか」聞いた結果は、以下のようになりました。 「女性活躍推進にあたってネックはあるか?」/ワークポート調べ
・「はい」(ネックはある):56.8%
・「いいえ」(ネックはない):43.2%  「ネックはある」と回答した企業に、ネックになっているのはどのようなことか聞いたところ、以下のような意見が挙げられたとのことです。 ・「人員不足で取り組む余裕がない」(メーカー)
・「育児と仕事の両立が難しい」(小売・販売)
・「結婚・出産後の退職率の高さ」(システム開発・情報通信)
・「女性管理職が少なく、なりたがる社員が少ない」(システム開発・情報通信)
・「対象となる女性社員が少ない」(技術サービス)
・「女性の採用が少ない」(Webサービス・広告・コンテンツ制作)
・「会社が女性活躍を想定していないため、優秀な人材を採用しない」(建築)
・「上層部・社員の無理解、無関心。女性社員自身も考え方が古い」(商社)
・「女性だからというバイアスが良くも悪くも働くこと」(建築)
・「女性社員の採用難」(建築)
・「出産・育児期間は、時間的・体力的・精神的に無理強いが出来ない」(ネットワーク・サーバー構築)
・「管理職を嫌がる女性社員が多い」(システム開発・情報通信)
・「役職でもっと活躍してほしい女性がいても、環境整備が不十分なのか同意が取れない」(システム開発・情報通信)
・「クライアントがかなり男尊女卑の業界」(システム開発・情報通信)
・「業界に横行しているハラスメント行為」(その他メーカー)

        …など ●【女性管理職の比率】半数以上が10%以下、7割が女性管理職の少なさを課題と認識
 企業の人事担当者全員に、「管理職に占める女性の割合はどれぐらいか」を聞いた結果は、以下のようになりました。 ・1%未満:28.8%
・1%~10%:27.3%  上記を合わせて半数を超える(56.1%)企業が、「10%以下」であると分かりました。
図2:「管理職に占める女性の割合はどれぐらいか?」/ワ...

図2:「管理職に占める女性の割合はどれぐらいか?」/ワークポート調べ

 さらに、管理職に占める女性の割合を多いと感じるか、少ないと感じるか聞きました。 「管理職に占める女性割合は多いと感じるか?」/ワークポート調べ
・「多い」:4.3%
・「少ない」:69.1%
・「ちょうどいい」:26.6%  このように半数以上の企業が、管理職の女性割合に課題を感じていることが分かりました。 ●【女性活躍のメリット】82.7%がメリットが多いと回答:男女平等には女性の活躍が必須
 人事担当者全員に、「女性の活躍が自社に与えるメリットは多いと感じるか」聞いたところ、「メリットが多い」と回答した企業が82.7%と大多数を占めました。
図3:「女性の活躍が自社に与えるメリットは多いか?」/...

図3:「女性の活躍が自社に与えるメリットは多いか?」/ワークポート調べ

 「メリットが多い」と回答した企業に、理由を聞いたところ、以下のような意見が挙げられたとのことです。 ・「女性ならではの感性を業務に活かせるから」(サービス・アミューズメント)
・「新しい意見や考えを取り入れることができるから」(システム開発・情報通信)
・「女性の活躍なくして会社の成長もないから」(システム開発・情報通信)
・「女性が経営の意思決定に入ってくることで、組織が強くなるから」(Webサービス・広告・コンテンツ制作)
・「女性活躍推進とともに社内の制度改革ができるから」(Webサービス・広告・コンテンツ制作)
・「求職者が比較的多くなり能力の高い社員を採用できる確率が高くなるから」(小売・販売)
・「女性が活躍する=多様な働き方につながり、採用活動がしやすくなるから」(システム開発・情報通信)
・「女性をターゲットとした事業に有利だから」(Webサービス・広告・コンテンツ制作)
・「女性ならではの目線やきめ細かな心配りが業務に活かせるから」(教育ICTメーカー)
・「会社全体のワークライフバランスを推進できるから」(ゲーム開発)
・「女性だけでなく社員全体が活躍することは望ましいから」(医療・福祉・メディカル)
・「優秀な女性を雇用できる訴求につながる可能性があるから」(ゲーム開発)
        …など
 ワークポートは、人口減少が叫ばれる中、労働力不足を解消するには性別で差別することなく、より多くの人が活躍できるように環境を整えることが必要不可欠だとしています。  そして、女性活躍推進のために、真っ先に取り組むべきは何なのか、企業は今一度掘り下げて考えていく必要があるかもしれないと結論付けています。
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