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大企業と小規模企業で大きな管理格差。「直接輸入のみ」の企業は152円超の円安想定でリスクを織り込む実態

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日米の金利差や中東情勢の緊迫化を背景に、歴史的な円安基調が続くドル円相場。企業が生き残りをかけて設定する「想定為替レート」の最新調査により、実勢レートとの間に10円以上もの危険な乖離が生じている実態が明らかになりました。業績見通しを揺るがす、業界・規模ごとの防衛ラインの全貌に迫ります。

平均は147円台も、最頻値は160円。企業の約7割が146〜160円の防衛線

帝国データバンクは、全国2万2,749社を対象に実施した「企業の想定為替レートに関する動向調査(2026年度)」の結果を2026年6月12日に発表しました。調査によると、2026年度における企業の想定為替レートは平均1ドル=147円87銭となり、前年5月時点の139円64銭から8円23銭の円安方向へと修正されました。

しかし、この平均値は「130円以下」と極めて円高寄りに設定している企業(10.1%)が引き下げているためであり、企業数の実数ベースではより深刻な円安を想定している層が厚いことが分かっています。事実、回答企業の中央値は155円、最も回答が多かった最頻値は160円を記録。分布をみても、全体の33.6%が「156〜160円」と回答して最多となっており、次いで「146〜150円(18.8%)」、「151〜155円(16.5%)」と続きました。実に約7割の企業が146円〜160円のレンジで苦しい舵取りを迫られています。

現場からは、「130円台に戻らないと仕入れが高すぎて誰も買ってくれない」と嘆く製造業がある一方で、「円安の恩恵でインバウンドが好調、当面はこの水準を維持してほしい」と語る不動産管理(宿泊事業)など、為替の恩恵とダメージの二極化が進んでいます。

「農林水産」は156円想定、大企業と中小企業で広がる6円以上の管理格差

この想定レートには、業界や輸出入の形態、そして企業規模によって巨大な開きが生じています。

  • 業界別の格差: 最も円安水準を想定しているのは『農・林・水産』の156円60銭。対して『建設』や『小売』『不動産』『運輸・倉庫』は144円台の円高想定にとどまり、その差は12円56銭に達しています。
  • 輸出入別の格差: 「直接輸入のみ」を行う企業は152円38銭を想定し、「直接輸出のみ」の企業(144円24銭)よりも8円14銭も円安に振れた想定をしています。
  • 規模別の格差: 大企業が151SB53銭を想定する一方、中小企業は147円84銭、小規模企業は146円25銭と、企業規模が小さくなるほど円高水準を想定しています。

「直接輸出のみ」の企業間であっても、大企業は中小企業より6円23銭も円安水準を想定しており、海外取引のボリュームや為替ヘッジなどの「管理体制(ガバナンス)」の差が、そのまま想定のリアルさに反映されている形です。

見解として、2026年4月以降、実勢レートが160円前後で推移するなか、企業の平均想定が147円台にとどまっている現状は、仕入単価の急騰を価格転嫁しきれない中小企業の収益計画を直撃する重大なリスクです。 長期的には購買力平価(106〜108円程度)への回帰も視野に入るものの、目前の10円以上の乖離に対して、為替ヘッジや調達ルートの見直しといった防衛ガバナンスを即座に構築できるかどうかが、企業の与信と生死を分ける分岐点となります。

詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部 戸田

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