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IT投資堅調もDXの成果は企業規模で異なる/ヴイエムウェア調べ

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ヴイエムウェアは2021年6月15日、コロナ禍での企業のIT予算の傾向や投資、DXに関するアンケートを行った結果を発表しました。続くコロナ禍の影響を受けながらも、昨年に続き、今年度の情報システム/IT投資に前向きな企業の姿勢が見られました。投資分野としても、昨年同様、オンライン会議やテレワーク関連など、企業が場所を問わず働ける環境づくりを推進していく傾向が見受けられました。一方で、DXによる成果や今後の取り組みにおいて、大企業と中小企業では顕著な差が明らかになりました。

 調査は2021年4月6日~4月7日、国内企業の経営者・役員412名を対象に、「お仕事に関するアンケート」というインターネット調査で実施されました(調査委託先:マクロミル)。
 まず「新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえた、今年度の情報システム/IT予算」についての回答は、以下のような結果となりました。 ・変化なし:43.2%(昨年は52.9%)
・増額する:29.1%(同29.6%)  これについて大企業の52.2%が2020年と比較して増額すると回答した一方、中小企業においては28%にとどまりました。続くコロナ禍による影響下で、IT投資に前向きな企業の姿勢が見られたものの、企業規模によって回復力の差が現れていると分析されました。
 また、「2021年度のIT予算で優先的な投資分野」については、最も優先的とした分野は、以下のような回答順となりました。  (1)オンライン会議(Web会議)・コラボレーションツール:19.8%(昨年は12.6%)
 (2)テレワーク関連(PC、デバイス、VDI、モビリティ管理など:11.4%(同12.3%)
 (3)セキュリティ・リスク管理:8.1%(同10.7%)  企業は、昨年に引き続き場所を問わず働ける環境づくりを推進していく傾向が見られました。
 次に、「DXに関する取り組みにおける、現時点での成果」(図1)については、成果が「出ている」という回答で、次の2項目が上位となりました。 ・業務の効率化による生産性の向上:36.9%
・企業文化や組織マインドの根本的な変革:27.9%  一方、成果が「出ている」という回答が少ないものでは、「既存製品・サービスの高付加価値化」(23.5%)、「新規製品・サービスの創出」(17.2%)という結果でした。現時点においては、製品・サービスの創出や、高付加価値化につなげられた事案はまだ少ないと分析されました。
図1:「DXに関する取り組みにおける、現時点での成果」...

図1:「DXに関する取り組みにおける、現時点での成果」※n=412(ヴイエムウェア調べ)

 この結果における回答数での順位は、大企業と中小企業で概ね同じ傾向でした。ただし、回答ごとの割合は大きく異なっていました。「業務の効率化による生産性の向上」について成果が出ていると回答した大企業は52.4%に対し、中小企業では31.7%でした。「新規製品・サービスの創出」について成果が出ていると回答した大企業は30.1%、中小企業は12.9%でした。これらのことからも、大企業のほうが中小企業よりもDXでの成果を感じている結果となりました。  企業規模によって異なる状況は、DXへの今後の取り組みに対しても同様の傾向が見られました(図2)。今回の新型コロナウイルスへの諸対応に伴い、「DX推進を前倒しで進める必要がある」との回答は、大企業だけに限れば42.7%でしたが、中小企業では14.6%でした。このような結果からも、大企業と中小企業ではDXに対する姿勢が大きく異なる状況が分かります。
図2:「今後のDXへの対応」※n=大企業 103、中小...

図2:「今後のDXへの対応」※n=大企業 103、中小企業 309(ヴイエムウェア調べ)

 また、「DX推進における課題」については、回答の多いものから以下の順番結果となりました。 ・人材育成が進んでいない:19.3%
・基本方針が定まっていない:17.9%
・社内でDX推進をリードできる人材がいない:15.2%  これら上位3つの課題は、順序は異なるものの、大企業と中小企業で共通しています。DXの推進においては、具体的な推進に入る前の段階において、基本方針の設計が滞るなど、人材や情報が不足している状況が見受けられます(図3)。
図3:「DX推進における課題」※n=大企業 103、中...

図3:「DX推進における課題」※n=大企業 103、中小企業 309/複数回答 回答数=大企業 233、中小企業 549(ヴイエムウェア調べ)

 自社で育成したいIT/DX人材については、「事業戦略を策定できる人材」「業務プロセスやシステムを企画・設計できる人材」が大企業では同数でトップだったのに対し、中小企業では「システムの保守・運用ができる人材」がトップでした(図4)。
図4:「自社で育成したいIT/DX人材」※n=大企業 ...

図4:「自社で育成したいIT/DX人材」※n=大企業 103、中小企業 309/複数回答 回答数=大企業 248、中小企業 535(ヴイエムウェア調べ)

 「クラウド利用による効果」については、「予想以上に効果があった」(8.0%)、「ある程度効果があった」(65.1%)を合計して7割以上がクラウド利用の効果を感じています。そして「クラウド利用範囲の方向性」に対し、「クラウドの利用範囲を拡大する、クラウド利用を開始する」との回答は24.0%。「クラウドの利用範囲を縮小する」(0.7%)の回答と比較して30倍以上の差がありました。  「クラウドの利用範囲を拡大する、クラウド利用を開始する」との回答者にその理由を聞いたところ、上位は「ランニングコストのメリット」、「セキュリティレベルの向上」、「運用・保守工数の削減」の順で多くなりました。クラウドの利用を拡大することによるコスト面のメリット、セキュリティへの投資や、中小企業におけるシステムの保守・運用人材不足などの結果ともつながっていることが明らかになりました。

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