インフォマティクスは2023年2月22日、交差点の改良工事にMR(複合現実)技術を活用した事例を公開しました。専用ゴーグルを活用することで、現場担当者は改修後のイメージを高い精度で確認できるようになります。
インフォマティクスと千代田測器は東京鋪装工業の協力を得て、宮城県内の交差点改良工事にMR(複合現実)技術を活用した事例を公開しました。利用するMRシステムは、東京鋪装工業が2022年10月頃より現場に導入した仕組みです。今回、宮城県遠田郡美里町内の交差点の拡張工事で実際に使われました。
これまでのMRシステムは、実際の現場で仮想の3Dモデルや2Dの図面を投影することができました。建設予定の構造物や建設途中の構造物の出来形も確認できました。しかし、投影するるホログラフィックの範囲が広くなれなるほど、正しい位置に投影させにくいといった課題がありました。
新システム「TS+(ティーエス・プラス)」は測量結果をホログラフィックの投影位置に高精度で表示できるようにしました。微細な位置のズレをリアルタイムに補正する機能を備えることで、広い範囲でも正しい位置に投影させられます。高精度を求める建設現場などでの用途で活用できます。
なお、システムはインフォマティクスと千代田測器が共同開発しました。「Microsoft HoloLens 2」専用アプリケーション「GyroEye Holo(ジャイロアイホロ)」のアドオンソフトとして動作します。
今回の交差点改修工事では、新システムを次の目的で活用しました。
・工事着手時にHoloLens 2を通して現場を確認し、設計図書と整合が取れているか照査した。
・地元の高校生のインターンシップで最新のICT技術としてHoloLens 2を紹介した。
・民家の出入口を工事する際に、住民の方にHoloLens 2で完成イメージを説明し理解を得た。
・完成した目的物について、位置や高さが設計通りに施工できているかHoloLens 2で確認を行った。
・工事着手時にHoloLens 2を通して現場を確認し、設計図書と整合が取れているか照査した。
・地元の高校生のインターンシップで最新のICT技術としてHoloLens 2を紹介した。
・民家の出入口を工事する際に、住民の方にHoloLens 2で完成イメージを説明し理解を得た。
・完成した目的物について、位置や高さが設計通りに施工できているかHoloLens 2で確認を行った。
新システムを活用し、改修工事を実施した東京鋪装工業 DX推進課 担当部長 白山公三氏は、「今回現場で原寸投影された3Dモデルは、道路面、歩道、縁石、側溝や集水桝等の構造物で、空間に完成形がミリ単位に高精度に重畳(ちょうじょう)される結果となりました。今後想定される利用は、工事着工前の関係者の完成イメージの共有や、完成後の出来形確認で、工事品質確保や生産性向上が期待されます。関係者の手応えも上々で今後の運用手順の検討に進めたい」と話しています。
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