DXやシステム更改の救世主として、いまや国内企業の約4分の3が頼るコンサルティング・サービス。しかし、その巨額の投資に対して「期待以上の成果」を得られている企業は、実は半数にも満たないという残酷な現実が明らかになりました。高額な費用以上に企業の不満を爆発させている、コンサル業界の「品質のばらつき」というブラックボックスに迫ります。
4分の3が利用する2兆円市場の裏で、満足度半数未満という「幻滅」の現実
ガートナージャパン株式会社は、日本国内企業におけるコンサルティング・サービスの利用実態に関する調査結果を2026年6月に発表しました。2026年3月に実施された本調査によると、国内企業の74.0%がコンサルティング・サービスを利用中であり、2026年の国内市場規模は2兆709億円に達すると予測されています。利用局面としては、最先端のDX(デジタル・トランスフォーメーション)関連よりも、既存のシステム更改など「従来型ITプロジェクトの戦略・計画策定」での活用が最も多いことが分かりました。
しかし、その投資対効果には深い影が落ちています。いずれの利用局面においても、サービスへの満足度で「期待以上」と回答した企業は半数未満にとどまりました。具体的には、DX戦略策定で48.6%、システム更改の計画策定では41.5%となり、プロジェクト開始後の要件定義やPM(プロジェクト・マネジメント)に至っては34.4%という低水準に沈んでいます。コンサル活用が拡大する一方で、多くの企業が対価に見合う本質的な成果を実感できていない実態が浮き彫りになりました。
「高価格」以上に不満な能力のばらつき、運任せの選定を脱するスキル定義のガバナンス
企業が抱く不満の真因を掘り下げると、単に「価格が高い」ということ以上に、「コンサルタントの品質(能力)のばらつきが大きい」ことがすべての局面で最大の要因として挙がりました。
コンサルティングの成果物は、アセスメント結果やロードマップなど、コンサルタント個人の構想力やコミュニケーション力に左右されやすく、しばしば「人次第」と言われます。それにもかかわらず、選定時の提案ではリーダークラスの一部の経歴しか説明されず、実際に現場へアサインされるメンバーの質は「開けてみるまで分からない」という構造的なギャップが生じています。「この人が入るなら安心」という属人的で曖昧な基準での発注は、高額な契約の成否を運任せにするリスクを孕んでおり、期待通りの効果が出なければ経営層からIT部門全体への信頼を失墜させかねません。
ガートナーのバイス プレジデント アナリストである海老名剛氏は、この状況を即座に改善する特効薬はないとしつつも、客観的な対策を提唱しています。調達やベンダー管理のリーダーは、職務経歴書のような属人的な説明に依存するのをやめ、自社が補完してもらいたいスキルを客観的に定義し、それを契約上の約束として明確に合意するという厳格なガバナンスへの転換が必要です。
見解として、市場が2兆円規模へ拡大するなか、コンサル選定の成否がアサインされた個人の資質に依存する「運任せ」の現状は、発注側におけるベンダーコントロールの機能不全を示しています。 2026年のIT投資において失敗を避けるためには、単に高名なファームやリーダーの経歴を鵜呑みにせず、現場に入るコンサルタント全員に求めるスキルを客観的な指標で契約に組み込む「品質保証の仕組み化」が不可欠です。
詳しくは「ガートナージャパン株式会社」の公式ページまで。 レポート/DXマガジン編集部 戸田






















