固定ブロードバンドで光回線の純増が持ち直しています。MM総研がまとめた2025年度通期の加入件数では、FTTHの年間純増は63.2万件となり、前年度比で8.1%減と鈍化しつつも、直近の回復で前回予測を約10万件上回りました。2026年3月末のFTTH契約数は4168.0万件で、市場の伸びをけん引したのは10Gbpsサービスの需要拡大です。10Gの利用者は200万件近くまで拡大し、市場全体に占める比率は約5%に達しました。CATVのFTTH化や集合住宅の全戸一括型導入も寄与し、光未利用者の選択肢が広がっています。固定ブロードバンド全体もFTTHとワイヤレスがけん引し、緩やかな成長が続く見通しです。
10Gbpsサービスが選択価値を押し上げ 純増の落ち込みが緩和
2025年度のFTTH純増は前年度比で減少したものの、下期にかけて回復しました。背景には三つの要因が挙げられ、第一に10Gbpsサービスのエリア拡大と価格面を含む標準化が進み、光未利用者の導入動機が高まったことが大きく影響しました。第二にCATV事業者のFTTH化が進展し、純増に寄与しました。第三に集合住宅向けの全戸一括型導入が安定して積み上がりました。10Gの契約は2026年3月末で200万件近く、比率は約5%に到達しています。結果として、前回の予測を上回る純増となり、市場のベースは底堅さを取り戻しつつあります。高速化と安定性を求める需要が、回線の乗り換えや新規導入を後押ししました。
事業者シェアではNTTが57.5%維持 NURO光が4位に浮上
2026年3月末のFTTHシェアは、NTTの光回線が2398.5万件で57.5%を占め、年間20万件の純増を確保しました。一方でシェアは前年度末から0.4ポイント低下しています。コラボ光は1788.7万件となり、FTTH全体の42.9%を占め、コラボ内のシェア首位はNTTドコモでした。伸びが目立ったのはソニーネットワークコミュニケーションズで、高品質・大容量を訴求するNURO光が寄与し、シェアは4.1%まで上昇して4位に浮上しました。継続的なキャッシュバックなど積極的な販促が機能し、10Gbps対応の訴求も追い風になっています。アルテリア・ネットワークスは集合住宅向け全戸一括型で着実に導入を拡大し、シェア2.4%を確保しました。首都圏での既存物件の切り替え需要も取り込み、10Gなど高品質サービスの選好がみられます。
固定ブロードバンド全体はNTTドコモが首位 ワイヤレスとFTTHが牽引
固定ブロードバンド全体では、NTTドコモがシェア16.6%で1位を維持しました。ドコモ光は2024年度末から純増に転じ、10ギガの料金キャンペーンの効果が表れています。さらにhome 5Gは2025年度通期で約23万件増加し、全体の押し上げ要因となりました。シェア2位のソフトバンクはセット販売とキャンペーンで光回線が好調に推移しました。JCOMは同軸からFTTHへの転換を進め、販売の軸足を固定回線に置くことで回線数を伸ばしています。ビッグローブもコラボ光のキャッシュバックや割引施策でシェア3位を維持しました。固定ブロードバンドは今後もFTTHとワイヤレスがけん引し、CATVアクセスはFTTH化に伴い減少が続く見込みです。
2026年度のFTTH純増は60.4万件予測 10G比率は2027年度中に1割超へ
2026年度のFTTH純増は60.4万件と予測され、前年度比4.5%減ながら一定規模を維持します。2026年3月末時点で10Gサービスは195.9万件で比率4.7%となっており、エリア拡大と高速回線ニーズの高まりを背景に、2027年度中には1割を超える見通しです。固定ブロードバンド全体の年平均成長率は2026年3月末から2029年3月末までの3年間で1.3%、FTTHは同期間で1.4%と見込まれます。ワイヤレスは工事不要という利便性と5G対応の広がりで、同4.6%の成長が続く見通しです。10Gの標準化が進むことで、集合住宅の全戸一括型やCATVのFTTH化と相まって、光回線の底堅い拡大が続くことが示されています。
詳しくは「(株)MM総研」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















