シンクライアントとは、ハードディスクを内蔵しないパソコン型の端末、もしくは端末やサーバーを使ったシンクライアント環境そのものを指します。端末の見た目はごく一般的なパソコンの形状ですが、サーバーが管理するアプリケーションやファイルをネットワーク経由で利用する専用端末となります。英語では「ThinClient」と書きます。
一般的なパソコンの場合、WindowsOSや各種アプリケーション、アプリケーションで作成したファイルなどはパソコン内のハードディスクに保存されます。一方、シンクライアント端末の場合、こうしたデータはサーバーで一元管理します。パソコンからファイルなどのデータが漏洩するリスクを防げる、災害などでパソコンが故障してもデータを復旧できる、オフィスに設置するパソコンと同じ環境を外出先でも構築できるなどのメリットがあります。OSやアプリケーションのアップデートを管理者が一括で実行できるといったメリットも見込めます。
なお、シンクライアントには、パソコンで表示する画面をサーバーから端末に転送する「画面転送型」や、OSのイメージファイルを端末で起動する「ネットワークブート型」などの種類があります。
シンクライアント環境を構築する場合、シンクライアント専用端末を使うのが一般的ですが、WindowsOSを搭載するパソコンをシンクライアント端末として再利用し、初期導入コストを抑えるケースもあります。