2026年4月6日、学校法人東京女子医科大学と川崎重工業株式会社は、東京女子医科大学附属八千代医療センターで屋内配送ロボット「FORRO」の運用を開始しました。目的は院内配送業務の効率化と医療従事者の負担軽減で、検体や薬剤の搬送をロボットが担うことで、医療従事者が専門性の高い業務や患者対応に集中できる環境づくりを進めます。FORROは広範囲センシングによる安全で安定した走行に加え、メーカーの異なるエレベータを活用したフロア間移動、セキュリティドアとの連動を可能とし、複数棟にまたがる長距離配送に対応します。大学病院特有の、関係者や医療機器の往来が多く面積も広い環境においても、安全性と安定性を両立した配送を実現することが説明されています。夜間や休日など人員が限られる時間帯の配送にも活用し、働き方改革の推進にも寄与する取り組みとなります。院内イベントで公募したロボットの愛称は「やちまる」に決まり、地域に親しまれる存在としての役割も担います。
導入の狙いと運用開始の概要 医療の質向上と業務効率化を同時に推進
導入の狙いは、院内配送の自動化により業務全体の効率化と医療の質の向上を図ることです。検体と薬剤の搬送をロボットに置き換えることで、看護師など医療従事者の移動負荷と時間的拘束を軽減します。これにより、患者へのケアや高度な専門業務にリソースを再配分できる体制が整います。運用開始日は2026年4月6日で、八千代医療センターの広い院内において、各所のセキュリティドア連携と異種メーカーのエレベータを用いた自律移動を行います。人とすれ違う機会が多い病院環境での安全走行を前提に、広範囲センシングによる安定走行が強調されています。夜間や休日の配送にも活用し、限られた人員での運営負荷を抑制します。複数棟を跨ぐ長距離配送の対応は、大学病院ならではの大規模レイアウトでの実効性を高める要素です。地域向けイベントで決定した愛称「やちまる」は、院内外の関係者との心理的距離を縮め、円滑な受容と利用促進につながる位置づけです。

FORROの特徴と病院内での適用 センシングと設備連携で複雑環境に対応
FORROは、川崎重工が開発した屋内配送ロボットで、広範囲のセンシングにより安全で安定した走行を行います。メーカーの異なるエレベータと連動してフロア間を移動し、セキュリティドアとも連携して通過できるため、病院のセキュリティレイアウトに沿った運用が可能です。複数棟にまたがる長距離配送にも対応し、検体や薬剤の搬送といった時間厳守のタスクにおいて、移動経路の複雑さを吸収します。病院では医療機器や人の往来が多く、障害物の変化が頻発しますが、FORROはこうした環境でも安全性と安定性の両立を目指す設計が説明されています。ロボット導入により、搬送の人的コストとリスクを抑え、ヒューマンエラーの低減につながることが期待されます。さらに、夜間や休日の定期配送に組み込むことで、少人数シフトでも物品移送を継続できる体制を後押しします。医療従事者の移動を削減することで、現場の身体的負担や残業の抑制にもつながるとされています。
導入効果の検証計画 JSPS科研費による多角的評価で「未来型看護」を目指す
本導入では、東京女子医科大学 看護学部と川崎重工が連携し、FORROの導入効果を科学的に検証します。研究はJSPS科研費基盤研究B(課題番号25K02955)により実施され、院内配送業務の自動化が現場業務に与える影響を多角的に分析します。評価項目は、医療従事者の業務負担軽減効果や業務効率の向上などで、定量と定性の両面から検証を進める計画です。この検証を通じて、看護現場におけるロボット活用の有効性を明らかにし、持続可能な「未来型」の医療現場の改善モデル構築を目指します。研究と運用が並行することで、現場での運用データに基づいた改善と標準化に貢献します。成果は今後の院内ロボット導入の指針となる可能性があり、病院経営や看護配置の最適化に資する知見の蓄積が見込まれます。研究資金の明示と課題番号の記載により、検証の透明性と再現性への配慮が示されています。
関係機関の紹介 使命と理念に基づく取り組みを背景に展開
学校法人東京女子医科大学は、1900年創立の日本唯一の私立女子医科大学で、理念は「至誠と愛」です。教育、研究、診療のすべてで誠実と慈しみの心を重視し、患者に寄り添う姿勢を掲げています。東京女子医科大学附属八千代医療センターは、地域中核病院として急性期・高機能・先進医療を調和させ、最新の医療技術と知識に基づく安全で良質な医療を提供しています。患者のプライバシーと権利を尊重し、チーム医療を推進しながら地域連携を強化しています。川崎重工業株式会社は、100を超える関連企業とともに技術の企業集団を形成し、陸、海、空、宇宙、深海に至るまで多彩な製品を展開しています。FORROは「ヒトは、ヒトにしかできないことを。」というコンセプトの下、労働力不足への解決策の一つとして創出されたサービスロボットで、医療現場で働くパートナーとしての外観も特徴です。地域イベントで決定した愛称「やちまる」は、現場への浸透を後押しする象徴として位置づけられます。
詳しくは「川崎重工業株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















