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「週1在宅」が日本を救う? ガソリン節約やCO₂削減など、エネルギー対策としても注目されている令和の働き方とは?

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在宅勤務の導入が着実に広がっています。一般社団法人 日本テレワーク協会は、厚生労働省が実施した「令和7年度 テレワークの労務管理等に関する総合実態調査」の結果公表を発表しました。全国の在宅勤務導入率は22.9%で、令和2年度の19.4%から上昇しました。従業員1,000人以上の大企業では導入率が75.1%に達し、制度としての定着が進んでいます。テレワーク導入企業のうち57.3%が今後も「維持または拡大したい」と回答し、働き方の選択肢として根付いてきた状況が示されました。加えて、残業時間への影響については「テレワーク時の方が少ない・やや少ない」とする企業が48.5%で、「多い・やや多い」は5.2%にとどまりました。

導入状況の推移と企業規模別の特徴

在宅勤務の導入率は全国平均で22.9%に到達し、令和2年度の19.4%から増加しました。特に大企業での採用が進んでおり、従業員1,000人以上の企業では75.1%と、4社に3社がテレワークを導入しています。導入企業の57.3%が「今後も維持または拡大したい」と回答しており、一時的な措置ではなく制度として位置付けられつつある点が読み取れます。調査は厚生労働省が実施し、日本テレワーク協会はテレワーク・ワンストップ・サポート事業の受託団体として公表を周知しています。導入率の上昇は地域や業種の差を内包しつつも、全体として持続的な拡大傾向にあります。

労働時間への影響と残業抑制の示唆

オフィス勤務と比較した法定時間外労働では、「テレワーク時の方が多い・やや多い」とする回答は5.2%にとどまりました。一方で「テレワーク時の方が少ない・やや少ない」は48.5%となり、必ずしも残業増加にはつながらない実態が示されています。この結果から、テレワークが必ずしも残業時間の増加につながっているわけではないことが示されています。

課題の輪郭 業務適用性とコミュニケーション、公平性

課題としては、「テレワークできる業務が限られている」が56.7%で最も多く、「コミュニケーションが取りづらい」が30.7%、「テレワークできない従業員との不公平感」が29.3%と続きました。これらは令和2年度調査と比べて多くの項目で低下していますが、主に中小企業や製造業、建設業、運輸業、小売業、外食業、医療福祉、教育などで顕著に表れています。業務特性や職種による制約、対面での協働やOJTの必要性が、適用範囲の拡大を難しくしています。業務の把握や情報共有の難しさも課題に挙げられており、運用面のノウハウ蓄積や仕組み設計が問われます。公平性の観点では、テレワーク不可能な職務への配慮や評価基準の透明化が求められ、制度としてのバランスの取り方が重要になります。課題の分布は、組織規模や産業構造の違いを反映しており、同じテレワークでも置かれている前提条件が異なる実態が見て取れます。

期待される効果と社会的意義

日本テレワーク協会の主席研究員である吉田英樹氏は、エネルギー安全保障の観点からもテレワークの有効性を指摘しています。中東情勢の悪化に伴いIEAのファティ・ビロル事務局長が「可能な限り在宅勤務」を提案しており、日本でも自動車通勤が多い地域では、週1日の在宅勤務でもガソリン消費とCO₂排出の削減につながると述べています。長期的には、出社前提の都市構造やオフィス需要の見直しを通じ、災害や交通、エネルギーに対するレジリエンスを高める働き方としての意義が強まります。さらに今回の調査結果からは、感染症対策や通勤負担の軽減に加え、育児や介護との両立、健康的な生活、治療と仕事の両立といったWell-beingの向上が確認されています。優秀な人材確保や労働生産性の向上、創造的業務の効率化など、経営の質に関わる効果も見え始めています。テレワークは、短期的施策を超え、社会的課題の解決に資する基盤的な選択肢となりつつあります。

運用の方向性とハイブリッドの現実解

すべての業務や職場でテレワークが万能の解ではない点も明確になっています。業務内容や職種、チーム構成によっては、対面での協働やOJTが不可欠な場面が多く、ハイブリッド勤務が有効な事例が多いとされています。制度の維持・拡大に前向きな企業が過半である現状を踏まえると、業務適合性に応じた働く場所の選択と、評価やコミュニケーションの設計を組み合わせる運用が現実解になります。

人的資本経営の文脈での位置付け

日本テレワーク協会は、テレワークを人的資本経営を構成する重要要素と位置付けています。目先の効率やコストだけで評価するのではなく、中長期の視点から「働き方そのもの」を見直す契機とすることが重要としています。Well-beingの向上や人材確保、生産性の持続的向上は、企業価値に直結するテーマであり、テレワークの運用成熟度が競争力に影響を与える局面が広がっています。調査結果に示された維持・拡大の意向は、その方向性を裏付けるものです。業務適用範囲の拡大と課題の低減が並行して進むことで、テレワークの社会的受容も高まっていくとみられます。中長期的な取り組みとして、制度設計、環境整備、人材育成を連動させることが、安定的な成果につながります。今回の公表は、働き方改革の次の段階に向けた基準点となる内容です。

詳しくは「一般社団法人 日本テレワーク協会」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部

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