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コラム

2026年、災害は「発生後の対応」から「発生前の予測・準備」へ。防災DXが変える日本のレジリエンス

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「災害は忘れた頃にやってくる」。かつての教訓は、2026年現在、テクノロジーによって「災害を予測し、被害を最小化する」という攻めの防災へと上書きされています。デジタル庁が発表した避難所DXの最新成果や画期的な地震予測AI。今、日本の防災DXは、単なる効率化を超え、一人ひとりの命を救う「個別最適化」の領域に突入しました。

避難所の「あの列」が消える。デジタル庁が示す避難所ワンスオンリーの夜明け

自治体関係者の間で最も注目されているのが、デジタル庁が進める「防災ワンスオンリー」の進展です。

これまでの避難所では、被災者が住所・氏名を紙に書き、自治体職員がそれを手作業で集計するという光景が続いていました。しかし、2026年2月に三重県名張市で行われた実証実験の結果、マイナンバーカードをスマホにかざす(または顔認証を行う)だけで受付が完了する体制が現実のものとなりました。 受付時間はわずか5秒。さらにアレルギー情報や持病データが即座に支援チームに共有されます。昨日公開されたレポートでは、通信が遮断された環境下でもデータを同期し続ける「オフライン稼働型システム」の有効性が改めて証明され、2026年度中の全国展開へ向けた大きな一歩となりました。

経営判断を変える「電離圏」の変動。地震予測AIがもたらす攻めのBCP

これまで「不可能」とされてきた直前予測に対し、地震短期予測AI「HiSR」は上空の「電離圏」の変動をリアルタイムで検知することでアプローチしています。

今月、特許出願を予定しているこの技術は、すでに大手損害保険会社とのPoC(実証実験)を開始しており、数日以内に特定の地域で地震リスクが高まる可能性を可視化します。実際に私が企業の防災担当者と対話して感じたのは、「予測精度が向上したことで、空振りを恐れず、物流ルートの変更やテレワークの指示といった具体的なBCP(事業継続計画)を発動できるようになった」という意識の劇的な変化です。

現場の「余裕」こそが最大の救いになる

「防災DXの真価は、テクノロジーそのものではなく、それによって生まれる人間の『余裕(余白)』にある」ということです。AIがSNSから救助情報を自動抽出し、デジタルが受付を簡略化する。それによって浮いた時間は、避難所で不安な被災者の手を握る時間や、複雑な救助活動の意思決定に充てられます。DXが「事務」を消し去ることで、現場には本来あるべき「温かな支援」の時間が戻ってくるのです。

【編集部見解】 2026年、私たちが準備すべきは「非常食」だけではありません。自社の、そして地域の「デジタルな防壁」をどう築くか。このレジリエンス(回復力)への投資こそが、災害大国・日本で生き残るための、最も重要な経営判断と言えるでしょう。

レポート/DXマガジン編集部 茂木

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