ECやフリマアプリの普及により、私たちの生活において「荷物を受け取る」という行為は日常の重要なタッチポイントとなっています。しかし、それに伴う配送トラブルや再配達の手間は、消費者にとって無視できない負担となっています。株式会社NEXERと圧着DMネットが2026年5月11日に発表した「郵便物の受け取りトラブルに関する調査」からは、不在時でも荷物を受け取れる「非対面」という受け取り手段の価値が浮き彫りになりました。
アナログなトラブルに直面する消費者のリアルと「静観」の心理
全国の男女500名を対象に2026年4月に実施された調査によると、これまでに郵便物や荷物が「届かない」「遅れた」と感じた経験がある人は33.2%にのぼります。膨大な配達件数を考慮すると一定の確率で発生するトラブルですが、興味深いのはその後の消費者の行動です。
遅延を感じた際の対応として、最も多かったのは「しばらく様子を見た」で50.6%と半数を超えました。次いで「配達業者・郵便局に問い合わせた(40.4%)」が続きます。消費者は「もう少し待てば届くかもしれない」という心理から、すぐにクレームを入れるのではなく、一旦システム側の時間的猶予を許容する傾向があることが分かります。
また、28.4%が経験している「郵便物の誤配や誤投函」に対しては、59.9%が「配達業者・郵便局に連絡した」、42.3%が「自分で正しい届け先に届けた」と回答しており、放置する人はごくわずかでした。アナログな配送ミスに対して、消費者の責任感や善意がセーフティネットとして機能しているのが現状です。
「対面不要」が生む心理的DX。非同期受け取りの圧倒的な支持
再配達サービスについては52.4%が利用経験を持ち、そのうち96.5%が「便利だ」と感じています。日中の不在が多い現代のライフスタイルにおいて、再配達は不可欠な仕組みです。しかし、さらに一歩進んだ「置き配・宅配ボックス」の利用経験(44.2%)がある層においては、76.9%が「とても便利」と回答しており、極めて高い満足度を叩き出しています。
具体的に評価されている理由は、単に「不在時でも荷物を受け取れる」という物理的なメリットだけに留まりません。
- 時間に縛られない自由:急な予定変更で帰宅が遅くなっても、受け取りの時間を気にする必要がなくなります。
- 心理的ストレスの排除:インターフォンに対応する、ハンコを押す、人と会話をするといった、ちょっとした手間の排除や「対面しなくて済む気が楽さ」が高く評価されています。
これは、自身の都合の良いタイミングで荷物を受け取れる、現代のライフスタイルに合わせた利便性の向上と言えます。
利便性の裏にある「信頼の空白」。次なる市場の伸び代
一方で、置き配や宅配ボックスに対して「不安に感じる点がある」と答えた人は49.3%と、ほぼ半数に達しています。
その不安の圧倒的多数を占めるのが「盗難」のリスクです。さらに、雨風による汚損や破損、カラスなどの動物被害、鍵をかけずに荷物だけを入れてしまう配達員のミスなどが懸念点として挙げられています。便利さを実感しつつも、セキュリティ面の「目に見えないリスク」が利用拡大のブレーキになっている現状が浮き彫りになりました。
見解として、ラストワンマイルDXの本質は、対面不要な「非同期の受け取り」による心理的・時間的負担の解消にあります。約8割が便利さを実感する一方で、半数が抱く盗難への不安は、スマートロックやIoTによる可視化といった「デジタルな安心感」を掛け合わせた次なるインフラテックの巨大な伸び代を示しています。
詳しくは「株式会社NEXER」の公式発表まで。 レポート/DXマガジン編集部






















