株式会社アスカネットは、葬儀会場の受付に設置された端末を通じて、参列者がキャッシュレスで弔意を示せる新しい仕組みの提供を2026年5月に開始しました。葬儀会場で香典のキャッシュレス決済を可能にする取り組みとして、日本国内で初の事例としています。背景には、日常生活でキャッシュレス決済の利用が広がる一方、葬儀では現金が主流というギャップがあります。アスカネットの調査では、日常では約84%がキャッシュレスを利用するものの、直近の葬儀では約89%が現金で香典を支払っている結果が示されました。こうした現状を踏まえ、有限会社みずぐちの協力のもと、会場受付で安心して利用できる設計での導入に踏み切ったとしています。受付端末によるその場決済や香典袋の準備不要など、参列者と葬儀社、喪家それぞれの負担軽減を目指した点が特徴です。
受付端末でのキャッシュレス決済を実装 従来の慣習を尊重しつつ安心設計
本取り組みは、葬儀会場の受付に設置された端末からキャッシュレス決済が行える点に特長があります。参列者は、香典袋の準備や記入をせずに、その場で弔意を示すことができます。仕組みは、関係各所のルールに配慮して設計され、参列者、葬儀社、喪家のいずれにとっても安心して利用できると説明されています。葬儀社にとっては現金管理業務の削減や未回収リスクの低減につながります。喪家にとっては受付対応の負担軽減と葬儀費用との調整のしやすさが利点です。受付のオペレーション簡素化は、突然の参列にも対応しやすく、現金を持ち合わせない状況でも対応できる点が実務上の効果として挙げられます。有限会社みずぐちの協力により、現場での運用知見を取り入れた導入が進められています。
調査で判明した受容の兆し 約半数が条件付きで容認 現金との併用が鍵
アスカネットが実施した調査では、日常生活でキャッシュレスを利用する人が約84%であるのに対し、葬儀では約89%が現金で香典を支払っていました。キャッシュレスでの弔意表現には賛否が分かれた一方、「選択肢としてあってもよい」「条件によっては受け入れられる」と回答した人が約半数に上りました。抵抗感がある層においても、遺族の意向が明示されていることや、葬儀社からの正式な案内があることなどの条件が整えば受け入れられる可能性があると示されています。喪主や遺族の立場でも約7割が導入に一定の許容姿勢を示し、現金と併用できる形での導入が鍵となる点が明らかになりました。対象は過去5年以内に葬儀または告別式に参列して香典を渡した経験のある20歳以上69歳以下の男女で、有効回答数は300名、調査はインターネットで実施されています。調査期間は2026年3月31日で、集計はアイブリッジ株式会社「freeasy」により行われています。
既存の葬儀DXサービス「tsunagoo」と連携 参列前後を一気通貫で支援
アスカネットは2017年から葬儀社向けWEBサービス「tsunagoo」を提供しており、訃報配信や供花・供物の注文、オンライン香典受付などを通じて葬儀のDX化を支援してきました。これまでオンライン香典受付は、遠方や家族葬で参列できない人を中心に利用されてきました。今回の取り組みにより、tsunagooで訃報を伝える際に会場でのキャッシュレス対応を事前に案内することで、葬儀会場でも香典をキャッシュレスでお供えできるようになります。これにより、参列前の準備から会場での受付、参列後の手続きまで、幅広いシーンで一貫して利用できる体制が整います。会場の端末での現地決済とオンラインでの受付がつながることで、状況に応じた選択肢を提供できる点が実装上の強みです。運用現場でのブランド価値向上にも資する取り組みとして葬儀社側のメリットが指摘されています。
葬儀現場からの反響と宗教界との情報共有 現代的な供養の形を説明
有限会社みずぐち「ミックホールみずぐち」の専務取締役は、キャッシュレスサービス開始後に大きな反響があったと述べています。サービスを知らない人は現金で香典を用意して参列する一方、仕組みを知った人の間では次回から香典袋が不要になるという認識が広まり、最先端のブランディングにもつながっているとしています。今後はtsunagooで現地決済が可能であることを積極的に発信し、より多くの人に便利に利用してもらえるよう取り組む姿勢です。宗教的な観点では、各寺院との情報共有を進め、宗教者に対しても現代的な供養や想いの伝え方として、クレジットカードなどのキャッシュレス決済で手軽に対応できることを説明していると述べています。葬儀業界に携わる立場として、宗教者との相互理解と情報共有が不可欠だとする見解が示されています。現場の運用に基づいたコメントは、社会的受容を高めるためのコミュニケーションの重要性を示しています。
今後の展望 手続きの簡便化で遺族と葬儀社の負担軽減を追求
フューネラル事業部企画開発室課長は、弔意の気持ちは変わらないが、その伝え方や受付方法は時代とともに多様化すべきだと述べています。手続きが簡便になることで遺族の負担が軽減され、大切な人を偲ぶ時間の確保につながるとしています。さらに、葬儀社の業務負担を軽減することで、遺族へのサポートに多くの時間を充てられるようになる意義が語られました。アスカネットは、今後も新たな技術や仕組みにより、葬儀に関わるすべての人にとってより良い体験の実現を目指す方針です。今回の日本初の取り組みは、生活様式の変化と葬儀文化のギャップを埋める手段として、会場受付のキャッシュレス化が有効であることを示すものとなりました。会場での安心設計とオンラインの既存サービスを組み合わせ、現金と併用可能な選択肢を提示することが、受容拡大の鍵になるといえます。
詳しくは「株式会社アスカネット」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















