MENU

セミナー

仕事ができる人は「専門スキル」だけではない?活躍し続ける人に共通する14の力とは~女性活躍アカデミーVol.2

  • URLをコピーしました!

DXマガジンは2026年7月29日、「女性活躍アカデミー 第2回」を開催しました。テーマは「テクニカルスキルの先にある力とは」。多くのビジネスパーソンはテクニカルスキルの習得に目を向けがちですが、企業のキーパーソンを育てるうえで本当に重要な力は、その「先」にあるのかもしれません。
今回のゲストは、ビジネススキル教育研究所の森田浩史氏。日立グループで38年間、ITエンジニアやマネージャーとして活躍した経験をもとに、技術・専門スキルだけではない、人材育成において大切な考え方について解説していただきました。

人への投資が、組織と売上の好循環を生む

冒頭、森田氏は「人的資本経営」の観点から、人材教育の重要性を提起しました。人的資本経営とは、個人が持つ能力や知識などを「資本」と捉え、人への投資を企業価値の向上につなげていく考え方です。企業が人材育成に取り組む際には、「教育よりも日々の業務を優先してしまう」という課題があります。特に中小企業では、こうした状況が起こりやすいといいます。

そこで紹介されたのが、中小企業白書のデータです。「従業員の能力開発計画がある企業ほど、売上高増加率が高い」という傾向を示し、人材教育と企業の成長との関係について解説しました。教育によって個人の力が高まり、それが組織力の向上につながる。そして売上が伸びれば、その成果を再び個人へ還元できるようになる。こうした「個の力→組織力→売上増→個への還元」という好循環を示し、人材こそ「企業の一番の財産」であると強調しました。

マネージャーが今日から実践すべき5つのポイント

続いて、マネージャーが人材育成に取り組む際に意識したい5つのポイントが紹介されました。

ポイント1:企業理念と個人の仕事をつなげる
企業理念と一人ひとりの仕事がどのようにつながっているのかを伝えることが重要だといいます。自分の仕事が会社や社会にどう貢献しているのかを理解することが、仕事へのモチベーションにもつながります。

ポイント2:名前で呼びかける
自身の経験をもとに重要性を説いたのが、「バイネームのコミュニケーション」です。日常的に相手の名前を呼びながらコミュニケーションを取ることが、相手との関係づくりにおいて大切だと話しました。

ポイント3:言いたいことが言える環境をつくる
メンバーが自分の意見を言える環境を整えることも、マネージャーの重要な役割だと指摘しました。リモートワークが広がる中でも、必要に応じて対面で話せる機会を設けるなど、コミュニケーションの場を意識的につくることが信頼関係の構築につながるといいます。

ポイント4:定期的な面談を行う
目標を設定するだけで終わらせず、定期的に振り返り、その成果を認めることも重要です。目標設定、振り返り、承認というサイクルを継続して回すことが、人材育成につながると説明しました。

ポイント5:グループ討議を取り入れる
個人だけで目標に取り組むのではなく、グループで話し合い、互いの目標や考えを共有することも大切だといいます。他者の考えに触れることが刺激となり、一人ひとりの成長にもつながります。

テクニカルスキルの先にある14のポイント

今回のセッションの中心となったのが、テクニカルスキル以外に必要となる力についての話です。森田氏は自身の経験を振り返り、「専門スキルはOJTで教える一方で、技術以外のことを教える時間が十分に取れていないのが実態」と指摘しました。成果を重視するあまり、将来のキーパーソンを育てるために必要な考え方や行動が、十分に伝えられていないケースもあるといいます。

当日は「テクニカルスキルの先にある力」として14のポイントが示されました。ここでは、その中でも特に議論が深まったポイントを紹介します。

意識を高く持つ

森田氏は「意識を高く持つ」ことを、「常に向上心を持って仕事に取り組むこと」と説明しました。例えば、同じ会議に参加していても、結果を把握するだけで終わるのではなく、そこで使われている専門用語や、会議を進行する人のファシリテーションなどに目を向けることで、さまざまな学びを得られるといいます。日々の仕事の中でどれだけ多くのことを吸収できるかは、本人がどのような意識で仕事に向き合っているかによって変わります。

位置づけを意識させる

自分が担当している仕事が、組織や社会の中でどのような役割を持っているのかを理解することも重要だといいます。森田氏はその例として、自動運転に関する開発を挙げました。自分が担当する開発が最終的に何に使われ、どのような価値を生み出すのかを理解することで、仕事への向き合い方も変わります。「分かって開発した方が楽しい」と話し、開発職だけではなく管理部門などにおいても、自分の業務の位置づけを理解することの大切さを伝えました。

期間を区切って目標を立てる

目標設定については、「長期目標はマイルストーンを設定して実行することが重要」と説明しました。例えば「将来リーダーになりたい」と考えていても、そこに至るまでに何を身につけ、いつまでに何を達成するのかが明確でなければ、具体的な行動にはつながりにくくなります。そのため、長期的な目標をいくつかの段階に分け、具体的な行動に落とし込むことが重要だといいます。また、目標を頭の中だけに置くのではなく、文章として書き出し、周囲に伝えることも実行につなげる方法の一つとして紹介されました。

相手の都合を考える

森田氏は、キーパーソンに求められる資質として「気遣い」と「気配り」を挙げました。「気遣い」は現在の相手に対して行う対応であり「気配り」はその先を考えて行動することだといいます。特に若手の育成では、上司や周囲から「気にかけてもらえている」と感じられる関係をつくることが重要です。こうした日常的なコミュニケーションの積み重ねが、信頼関係の構築につながると説明しました。

具体的に書いてみる

考えていることを文字にして整理することも、紹介されたポイントの一つです。頭の中だけで考えていると複雑に感じることでも、実際に文字として書き出すことで、自分の考えを客観的に捉えやすくなるといいます。例えば、複数の仕事を同時に依頼された場合、それぞれの業務を書き出して整理することで、どの順番で進めるのが効率的なのかが見えやすくなるという具体例も紹介されました。

たくさん失敗してみる

人材育成において重要なもう一つのポイントとして挙げられたのが、「失敗できる環境」です。森田氏は、失敗を恐れることで挑戦できない人が増えていると指摘し、企業側が失敗を経験できる環境をつくることが重要だと話しました。特に若いうちの失敗は、その経験を本人だけのものにするのではなく、周囲と共有することで組織全体の学びにもつながるといいます。セッションではエジソンの言葉も紹介しながら、失敗そのものを恐れるのではなく、試行錯誤を続けることの大切さが伝えられました。

学びから出会いへ。交流会で広がった接点

セッション終了後には懇親会が開催され、参加者同士で交流する時間が設けられました。講演の中では、「出会いを大切にする」ことも重要なポイントとして紹介されています。講演を通じて得た学びを持ち帰るだけではなく、参加者同士が実際に言葉を交わし、新たな接点をつくる場となりました。

なお、第3回「女性活躍アカデミー」は2026年9月30日(水)18時から開催予定です。
テーマは「キャリアパスとしてのDX人材という選択」。アステリア株式会社の松浦氏をゲストに迎え、身につけたスキルをどのように自身のキャリアへつなげていくのかを考えます。

【関連リンク】
日本オムニチャネル協会
https://omniassociation.com/

シェアはこちらから
  • URLをコピーしました!
  • 週刊SUZUKI
  • イノベーション大賞
  • DSW

お問い合わせ

取材のご依頼やサイトに関するお問い合わせはこちらから。

問い合わせる