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コラム

「ビジネスを変える」で競争優位を作る 「デジタルトランスフォーメーション」【デジタル変革の全体地図 第4回】

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ここから変革の領域が「経営の世界」に移ります。 第3フェーズ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の本質は「ビジネスを変えること」です。ビジネスモデルの転換、顧客体験の再設計、データドリブン経営を通じて「競争優位を作る」ことが目的です。目的が「企業変革で勝ち方を変えること」に変わる、この転換点を経営者は強く意識する必要があります。

世界平均取組率が20〜30%という数字は、DXが多くの企業にとってまだ未踏の領域であることを示しています。IT化の目的が「効率化の土台をつくること」であるのに対し、DXの目的は「企業変革で勝ち方を変えること」です。この質的な違いを経営者が正しく認識しているかどうかが、DXの成否を決める最初の分岐点です。

私が富士通、ソフトバンク、セブン&アイといった大企業でキャリアを積み、起業した経験から言えるのは、ビジネスモデルを変えることの難しさです。既存のビジネスモデルで成功している組織には、それを守ろうとする強力な力学が働きます。「過去の成功体験を手放す」覚悟なしに、 DXズは実現しません。経営の世界へ踏み込む覚悟が、IT化とDXを分ける最大の壁です。

 DXにおける「顧客体験の再設計」は特に重要なテーマです。デジタルシフトウェーブでは小売・流通・製造・サービスなど業種を問わず多くの企業のDXを支援してきましたが、顧客体験の変革に本気で取り組んだ企業ほど、競争優位への貢献が大きく、成果が早く出る傾向があります。デジタル技術を使って顧客との接点を根本から変えることで、競合が容易に模倣できない価値が生まれます。

「データドリブン経営」も DXの核心です。勘と経験に頼った意思決定から、データに基づいた意思決定へ。この転換が組織全体に浸透したとき、意思決定のスピードと精度が飛躍的に向上します。「正しい商売をする」という私の信念はDXにおいても変わりません。技術のためのDXではなく、顧客価値のためのDXです。

 DXの取組率が世界でも20〜30%にとどまっているという現実は、裏返せば大きなチャンスです。今このフェーズに真剣に取り組む企業は、競合の大多数がまだ到達していない領域で先行者優位を築けます。データドリブン経営の実践こそが、次の 第4フェーズのAIトランスフォーメーション(AX)への最も確実な橋渡しになります。「本物の仲間」とともに、ビジネス変革の旅に踏み出してください。  DXへの移行において、「外部の視点を取り入れること」も有効です。自社の業界の常識が、他業界では当然ではないことがよくあります。業界を超えた変革事例を学び、顧客体)験の再設計やビジネスモデル転換のヒントを得ることが、DX推進の加速につながります。デジタルシフトウェーブのDX支援でも、他業界の成功事例を持ち込むことで、クライアント企業の変革議論が一気に前進した場面を数多く経験しています。

DXは競争優位を作るフェーズです。「本気でぶつかる」覚悟を持って、ビジネス変革の実践に踏み出してください。 DXは「企業変革で勝ち方を変える」出発点です。データドリブン経営と顧客体験の再設計に真剣に取り組むことで、競合が模倣できない競争優位を作り出してください。 第3フェーズのDXは「顧客に新しい価値を届けること」が出発点です。その問いに真剣に向き合い続けることが、競争優位を作り出す力になります。

【デジタル変革の全体地図 第4回】

筆者プロフィール

鈴木 康弘
株式会社デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長
富士通、ソフトバンクを経て99年に現セブンネットショッピングを設立。セブン&アイHLDGS.取締役執行役員CIOとしてグループのデジタルトランスフォーメーションを推進。17年にデジタルシフトウェーブを設立し現職。日本オムニチャネル協会会長等も務める。

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