AI半導体市場で存在感を高めるAMDが、重量3トンを超える新システム「Helios(ヘリオス)」を投入します。メタやマイクロソフトも採用を決めた巨大AI基盤は、エヌビディア一強の市場構造を変えるのでしょうか。
AI競争は「半導体」から「ラック全体」へ
ヘリオスは、サーバーラック全体を1台の巨大なコンピューターとして動かす「ラックスケール・システム」です。72基のGPU「MI455」と18基のCPU「Venice」を搭載し、ネットワークやソフトウェア、冷却設備まで一体化しています。重量は約3.17トン、消費電力は1ラック当たり約225~245キロワット。推定価格は約500万~550万ドルです。
生成AIやAIエージェントの高度化により、単体のGPU性能だけでは膨大な計算需要に対応しにくくなっています。そこでAMDは、GPU、CPU、ネットワーク、ソフトウェアを統合。液冷方式によって大量の熱を処理しながら、AIが文章などを生成する際の「1トークン当たりのコスト」を抑える設計を打ち出しました。開発環境には「ROCm」を採用し、PyTorchやvLLMなどのオープンな仕組みに対応します。エヌビディアの「CUDA」を中心とした独自の経済圏とは異なる選択肢を提示しています。
記事によると、メタは2026年後半から導入を始め、将来的に最大6ギガワット規模のAMD製GPUを採用する計画です。マイクロソフトも導入契約を締結しました。さらにオープンAI、オラクル、TCSも採用に向けて動いています。AIインフラの競争軸は、半導体単体の性能から、電力や冷却、導入速度、運用費を含む「システム全体の価値」へ移り始めています。
AI基盤の選定では、性能だけでなく、トークン生成コストや運用の柔軟性が重要になります。
ヘリオスの登場は、企業がAIインフラを比較・選択できる時代の始まりを示しているのかもしれません。
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レポート/DXマガジン編集部






















