2026年1月から3月にかけて、クレジットカード不正利用被害額が113.6億円となり、前年同期比で約41%減少しました。EMV 3Dセキュアの導入義務化が進み、カード情報流出件数も3,463件へと大幅に減ったことが背景にあります。一方で、不正利用の直近発生率は0.027%から0.033%へ微増し、リスクの潜在は続いています。かっこ株式会社と株式会社リンクは、四半期レポートでこの減少要因とともに、新たな脅威の実態を示しました。特にコード決済を悪用した返金詐欺は全国の相談件数が5,107件に達し、統計開始の2023年比で約2.2倍に拡大しています。企業は被害低減と同時に、チャネル横断での注意喚起と体制整備を進める必要があります。
EMV 3Dセキュア義務化の効果と継続的な警戒の必要性
2026年1月から3月の不正利用被害の大幅減は、EMV 3Dセキュアの義務化が結実したことが主要因として示されています。前四半期に続き、国内での導入強化が奏功し、カード情報流出事件数は2件、流出件数は3,463件へと縮小しました。被害額が113.6億円にとどまったことは、オンライン取引の防御力向上を裏づける結果です。しかし、直近の不正利用発生率は0.033%と前四半期の0.027%からわずかに上昇しており、攻撃者の手口が変化しながら継続している実情がうかがえます。実務では、本人認証の徹底と不正検知ルールの見直しを定常運用に組み込み、決済導線の変更時には検知ロジックの再評価を行うことが求められます。加えて、検知後の対応プロセス短縮に向け、問い合わせ窓口と不正対策チームの連携手順を明文化することが有効です。監視の閾値設定や再認証フローのABテストなども、発生率の微増に対する現実的な打ち手となります。
過去最多の返金詐欺相談とブランド毀損リスクへの備え
コード決済を悪用した返金詐欺は、便利機能の隙を突く形で急増しています。被疑者は偽ECサイトのサポート窓口を装い、欠品を理由に接触して画面共有機能を用い、消費者自身に送金操作をさせる手口が特徴です。相談件数は5,107件で過去最多となり、2023年比で約2.2倍に達しました。自社システム外で完結するため、ECサイト側の内部対策だけでは防げず、被害者が正規サイトを加害者と誤認してSNSに否定的な投稿を行う二次被害が発生しています。実務対応としては、公式サポートの連絡手段と手続きの範囲を明確に告知し、画面共有や外部アプリ操作の依頼を行わない旨を購入完了メールやヘルプに明記することが有効です。偽サポート報告の受け皿を用意し、通報から注意喚起までのリードタイムを短縮する体制も重要です。10月施行予定の能動的サイバー防御法や新たなSCS評価制度の動向を踏まえ、社内のポリシー更新と教育を計画的に進めてください。
詳しくは「かっこ株式会社」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部




















