国内銀行103行の2026年3月期総貸出金残高は601兆4,033億円で前年比4.7%増となり、3月期として15年連続増加し初の600兆円台に達しました。中小企業等向けは405兆2,113億円で前年比5.3%増となり、初めて400兆円台に到達しました。地方公共団体向けは40兆3,153億円で前年比3.1%増と伸長し、それぞれ過去最多を記録しています。総貸出金に占める中小企業向け比率は67.37%と前年の67.03%から上昇し、4年ぶりの上昇となりました。金利は2024年以降の段階的な引き上げを経て2026年6月に政策金利がおよそ1%まで引き上げられ、貸出金利の上昇が銀行収益に反映されています。コロナ禍後の過剰債務や物価、人件費の上昇で収益力が弱い企業もあるなか、銀行は採算重視へ舵を切りつつ、企業支援の姿勢が問われています。
大手行が7.4%増で160兆円台に 地銀も拡大し全業態で過去最高を更新
中小企業等向け貸出金は大手行が161兆2,171億円で前年比7.4%増となり、2010年3月期以降で初の160兆円台に乗りました。地方銀行は199兆1,661億円で4.1%増、第二地銀は44兆8,280億円で3.1%増となり、全業態で過去最高を更新しています。伸びが確認されたのは合計92行で、前年の85行から増加しました。貸出比率は大手行が60.95%と4年ぶりに上昇し、地方銀行は71.62%、第二地銀は76.15%でいずれも前年を下回りました。個別では貸出金残高の伸び率が最も高いのはSBI新生銀行で18.8%増でした。貸出比率の最高は佐賀共栄銀行の97.74%で、地方銀行トップは関西みらい銀行の90.94%、大手行トップはりそな銀行の73.00%でした。
地方公共団体向けは残高増も比率低下 銀行の姿勢変化を前提に資金戦略の再設計を
地方公共団体向け貸出金残高は40兆3,153億円で3年ぶりに前年を上回りましたが、貸出比率は6.70%で3年連続の低下となりました。前年超は53行に広がり、内訳は大手行3行、地方銀行32行、第二地銀18行です。比率上昇は38行で、大手行3行、地方銀行17行、第二地銀18行となりました。貸出比率の最高は熊本銀行の38.01%で、次いで十八親和銀行が30.41%、青森みちのく銀行が27.59%でした。低金利競争の終焉により、銀行はメリハリのある貸出へと移行しています。調達と返済の前提が変わる局面では、複数行との与信配分や金利条件の再交渉、キャッシュフロー計画の前倒し見直しを速やかに実行することが有効です。
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