2026年8月の「人手不足」関連倒産は32件と前年同月比で39.1%増え、8月として最多を更新しました。1月から8月の累計は333件で前年同期比38.7%増となり、年間最多ペースが続いています。内訳では「人件費高騰」が175件で121.5%増、「従業員退職」が81件で17.3%増と、いずれも累計で過去最多を更新しました。物価高で収益が細るなか、賃上げや人件費の上昇負担が重く、退職が案件失注や評判面のリスクを招き、資金繰りが持たない事例が増えています。業種別では労働集約型の建設業とサービス業他が各10件で最多となり、いずれも現場要員の確保難がボトルネックになっています。資本金1千万円未満が22件と約7割を占め、法的整理は破産が31件にのぼり、大半を占めました。
物価高に歯止めが掛からず、賃上げや人件費の上昇が収益を圧迫する状況が続いています。加えて雇用の流動化が進む中で退職に起因する人手不足が業務遂行を直撃し、特に小規模事業者で影響が顕著です。東京商工リサーチは、今後も「人手不足」倒産が増勢をたどる可能性が高いとしています。本調査は負債1千万円以上の企業倒産から「求人難」「従業員退職」「人件費高騰」に該当するケースを抽出し、後継者難は除外して分析しています。実務面では人件費の上昇を前提とした原価転嫁の交渉計画や、退職に備えた業務の標準化と多能工化、採用前倒しと定着支援の体制整備が早期のリスク低減につながります。資本力の小さい企業ほど、受注選別と固定費の変動費化を急ぎ、金融機関と早期に情報共有して資金繰りの見通しを確保することが重要です。取引先との価格協議の頻度を上げ、契約見直しの根拠として公的統計やコスト推移のデータを整備する対応も有効です。
詳しくは東京商工リサーチ TSRデータインサイトの公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部





















