東海旅客鉄道株式会社(JR東海)は、株式会社On-Coが運営する不動産マッチングサービス「さかさま不動産」と連携し、駅の空きスペースを活用した地域活性化の実証実験を行うと発表しました。この取り組みは、駅を単なる交通のハブではなく、地域の交流拠点として活用し、沿線地域のにぎわいを創出することを目指したものです。
JR東海はこれまで地域活性化を目的として、駅の空きスペースを活用するプロジェクトに取り組んできました。一方、「さかさま不動産」は、物件を借りたい人の想いやビジョンを可視化し、これに共感する貸主をつなぐ不動産マッチングサービスです。この両者の想いが合致し、駅の空きスペースを地域活性化に役立てる新しいアプローチが始動しました。
実証実験の第一弾として、2024年11月24日(日)に岐阜県多治見市の多治見駅南駅前広場で「さかさマルシェ@多治見」が開催されます。このイベントでは、多治見市内で新しいビジネスを立ち上げようとする事業者や、過去に「さかさま不動産」を通じて空き家活用を実現した事業者が出店します。例えば、タイ料理店「カオニャオ」や、ミートパイカフェを目指す「This is Pie!」など、多様な店舗が集まり、地域住民や駅利用者との交流を図ります。
また、2024年11月以降、JR東海管内の駅でポスター掲示が行われ、地域住民や事業者に向けて駅の空きスペースの可能性を広く発信します。そして、2025年2月には名古屋駅で検証報告イベントを開催し、実証実験の結果をもとに駅の空きスペースの効果的な活用方法を議論する予定です。
「さかさま不動産」はこれまで全国で33件のマッチングを実現しており、空き家を活用したカフェやサウナ、駄菓子屋などが地域に根ざした事業として成功を収めています。また、JR東海も駅を活用した地域密着型のプロジェクトを展開しており、例えば近江長岡駅の「Cafe Lumière」や飯田駅の焼き芋屋「よっしーのお芋屋さん」が地域の交流拠点となっています。
JR東海と「さかさま不動産」の連携によって、駅を起点とした地域活性化の新たな可能性が広がります。この取り組みを通じて、地域と人々をつなぐ駅の役割が再定義され、地域住民や事業者が主体的にまちづくりに参加する機会が増えることが期待されます。
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執筆:DXマガジン編集部