メルカリは小学生向けの教育教材「地球を救え!リユース探検隊」を無償で公開しました。ワークショップ形式で「捨てるをへらす」を体感させ、リユースが脱炭素や循環経済に与える影響を子ども自身の行動として結びつけます。
教材の構成と狙い ― 体験を通じて「リユース」を自分ごとに
メルカリが公開した「地球を救え!リユース探検隊」は、運営サイト「mercari education」からPDFで無償ダウンロードできる小学生向けの環境教育教材です。本教材は、3つのステージを通じてリユースの意義を学ぶワークショップ形式で設計されており、学校や自治体、家庭での活用を想定しています。背景には気候変動や資源枯渇といった環境課題の深刻化があり、文部科学省の学習指導要領でも「持続可能な社会の創り手の育成」が掲げられている点が挙げられます。メルカリはこの教材で、子どもたちが環境問題を自分ごとにするきっかけづくりを目指しています。
教材はステージ1〜3で構成され、段階的に理解を深めます。ステージ1では3Rの説明を行い、古いTシャツなどをどうすればゴミにしないかを参加者と一緒に考えます。ここでフリマアプリでの売買がリユースの一例であることを実例として示し、行動の選択肢を提示します。ステージ2では、ものが作られてから廃棄されるまでの流れと大量生産・大量消費が環境に与える影響を学びます。環境省の「デコ活」にも触れ、リユースが脱炭素に寄与するという社会的な文脈を理解させます。さらにメルカリが算出したGHG削減貢献量をクイズ形式で学ぶ仕掛けも用意されています。
ステージ3は実践的な体験に重きを置いています。家庭にある「もう使わないモノ」の価値を、メルカリの画像検索機能を使って調べ、誰かにとって価値があることを体験的に学びます。こうした体験は「捨てる」以外の選択肢に気づかせる効果があります。公開前には2025年8月開催のイベントでワークショップを実施し、26社の賛同と環境省の後援、リユース業協会に加盟する6社の合同参加のもと、多くの子どもや保護者から好評を得ました。参加した子どもからは「いらなくなったものが売れているのを知って驚いた」「これからは捨てずにゆずりたい」といった声が上っています。
メルカリは企業ミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」の一環として、事業を通じた環境・社会貢献を掲げています。FY2025.6のImpact Reportでは、同社プラットフォームでの取引が年間約69万トンのGHG削減貢献につながり、衣類廃棄量の7.7%相当を廃棄から免れていると示されています。1着の衣類取引で平均約9.6kgのGHG排出回避に相当するデータは、教材が提示する実践行動の社会的インパクトを裏付ける根拠になります。メルカリは今後も年代を問わずサーキュラーエコノミーに関する学びの機会を提供し続けるとしています。
詳しくは「メルカリ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權






















