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セブン銀行、NFTで企業・自治体をつなぐ   生活インフラから情報インフラへ

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駅とATMをNFTでつなぐ新たな体験

セブン銀行は、ATMを通じてNFT(非代替性トークン)を配布するデジタルラリー企画を展開しています。2025年10月1日、公式STORYにて「ATMと駅をNFTでつなぐ」プロモーションの事例が紹介されました。本企画は東急電鉄との連携によるもので、沿線の駅や商業施設をめぐりながらNFTスタンプを集める「デジタルスタンプラリー」として実施されています。

対象のセブン銀行ATMで交通系電子マネーをチャージすると、画面または利用明細票に表示されるQRコードを読み取ってNFTスタンプを取得できます。スタンプを3種類すべて集めた参加者には、3D車両NFTや東急線ワンデーパスクーポン、セブンプレミアム商品のデジタルギフトなどが進呈されます。デジタル体験を通じて「お出かけのきっかけづくり」を促進することが狙いです。

ATMを生活のハブに 「+Connect」構想の一環

このNFTラリーは、セブン銀行が掲げる「+Connect(プラスコネクト)」構想の延長線上に位置づけられています。
同社は、ATMを単なる現金取引の装置ではなく、「行政手続き」「本人認証」「サービス案内」など、生活のあらゆる接点を担うプラットフォームへと進化させることを目指しています。

「ATMが、あらゆる手続きや認証の窓口になる世界をつくる」というビジョンのもと、さまざまな企業・自治体との連携を強化。今回のデジタルラリーもその一環として、リアルとデジタルをつなぐ新しい利用体験の実現を図っています。

企業向け「NFT配布サービス」で広がる活用の場

セブン銀行は、法人向けに「NFT配布サービス」も提供しています。企業が自社プロモーションやキャンペーンでNFTを配布できるよう、ATMをマーケティングチャネルとして活用する仕組みです。ATM画面や利用明細票にQRコードを表示し、来店者がNFTを受け取れる形式で、ブランド体験の強化や購買促進に役立てることができます。

この仕組みはすでに公式サイトでも紹介されており、「ATMを活用した新しいマーケティング手法」として注目を集めています。ATMという生活インフラを企業の顧客接点に変える点で、セブン銀行ならではの強みを生かしたDX施策といえます。

過去のNFT募金キャンペーンも好評

NFTを活用した取り組みは今回が初めてではありません。セブン銀行は過去に「NFT募金キャンペーン」を実施し、ATMで寄付を行った人にアートNFTを配布する試みを行っています。統合報告書によると、このキャンペーンでは寄付件数・金額ともに増加傾向を示し、社会貢献とデジタル体験を両立する新たな事例として評価されています。これらの取り組みは、金融とデジタル技術を掛け合わせる「社会参加型DX」の実践として位置づけられ、同社が目指す“体験を提供する銀行”の方向性を具体化するものです。

DX視点で見る「ATMの再定義」

今回のNFTラリーや配布サービスは、金融業界におけるATMの役割を再定義する動きといえます。ATMはこれまで「現金を扱うための装置」でしたが、セブン銀行はこれを「人と情報をつなぐデジタルハブ」へと進化させようとしています。NFTを活用することで、来店者にデジタル特典や体験を提供し、リアル行動を促す新しいマーケティングの形が生まれつつあります。金融インフラをベースにしたこのDXの取り組みは、企業や自治体との連携拡大にもつながり、ATMを“情報の入り口”へと変えていく可能性を秘めています。

今後、セブン銀行がこの仕組みを全国のATMにどこまで広げ、顧客体験の向上と社会連携を両立していくのかが注目されます。金融サービスの枠を超えた“体験型プラットフォーム”としてのATMの進化は、DXの新たな象徴になるかもしれません。

レポート/DXマガジン編集部

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