バーガーキング・ジャパンは、全国300店舗突破を記念し、10月20日から24日までの5日間、公式アプリ限定で対象ワッパー®セットを300円引きで提供するキャンペーンを実施しています。期間中、各日14時からアプリ内クーポンが配信され、フレンチフライ（S）とドリンク（M）が付いたセットが特別価格で楽しめます。
同社はこの取り組みを「アプリ×リアル店舗」の連携による新たな販促DXの一環と位置づけています。アプリ上のデータを基盤に、ユーザーの来店時間や利用頻度を分析し、キャンペーン設計に反映。従来型の紙クーポンでは得られなかった詳細な行動データを取得し、顧客接点のデジタル化を一段と推し進めています。
今回の施策で注目されるのは、デジタル施策でありながら「店舗回帰」を促している点です。近年、飲食業界ではモバイルオーダーやデリバリー需要が急拡大する一方、来店頻度の減少が課題となっていました。バーガーキングはアプリ経由の特典を“来店トリガー”とすることで、リアル店舗への回遊を促し、体験価値の向上を図っています。
同社は2024年以降、アプリのUI／UXを刷新し、会員ランク制度や限定クーポン機能を強化してきました。今回のキャンペーンは、これらのデジタル基盤を活かした次のステップといえます。利用データをもとに「どのエリアで」「どの時間帯に」需要が高まるかを可視化し、マーケティングとオペレーションの最適化を進めています。
外食業界では、サブスク型メニューやAIによる需要予測など、DXを通じた新たな集客・効率化の動きが広がっています。なかでもバーガーキングは、ブランド価値を維持しつつデータドリブンな戦略に積極的に取り組む企業の一つです。
「300店舗突破」という節目を、単なる記念イベントではなく“デジタル活用による実験機会”と位置づけている点は注目に値します。顧客データの分析を通じて、来店頻度の変化や購買単価の動きを検証し、今後のCRM施策やメニュー展開に反映していくと見られます。
デジタル施策の本質は「オンラインとオフラインの相互強化」にあります。今回のアプリ限定キャンペーンは、まさにその象徴といえるでしょう。DXがもたらすのは単なる効率化ではなく、顧客との関係を“再設計”する力です。バーガーキングの取り組みは、外食業界における「デジタル販促2.0」の可能性を示しています。
