株式会社ベンチマークジャパンの調査で、Gmail・Outlookの生成AI機能利用者の53.9%が「メール確認の効率が上がった」と回答しました。一方で利用率は37.6%に留まり、普及には操作理解やセキュリティ不安が足かせになっています。
生成AIの利用実態とメリット・課題

株式会社ベンチマークジャパンが2025年9月2日〜9月11日に実施した「業務におけるメールソフト(Gmail・Outlook)の生成AI機能利用状況調査」は、409件の有効回答を基に現状を明らかにしました。本調査では、生成AI機能を「使ったことがある」と答えた人が37.6%にとどまり、過半数は未利用です。また「知らない・使っているかわからない」との回答が7.3%あり、認知不足が普及の阻害要因となっています。

利用者が実感する効果では「メール確認の効率が上がった」が53.9%で最多、続いて「返信の効率が上がった」46.8%、「1日あたり確認できるメール件数が増えた」27.3%と続き、日常の情報処理を短縮する効果が顕著に出ています。機能別ではGmailで「メールの要約」57.3%、「返信文の自動生成」52.1%の利用が多く、Outlookでは「下書き自動生成」や「スレッド要約」がよく使われています。特に社内外のやり取りで要約機能が重宝され、英語メールやニュースレターでも活用されている点が目立ちます。

一方、導入上のハードルも明確です。未利用者の理由は「使い方がよくわからない」43.6%が最多で、「使うメリットを感じない」も目立ちます。利用中の不満点では「プライバシーやセキュリティが気になる」39.6%、「正確性に不満」34.4%、「意図と合わない・書き直すことが多い」31.%と、安心感と品質の改善が求められています。世代差では20〜30代がGmail利用で活発、60代では正確性への不満が高い傾向があり、受容度に差があります。



受信側の認識も興味深い結果です。メール内のAI生成画像や文章については約6割が「気づかない」と答えており、多くは違和感なく受け入れていますが、4割弱は「気づくことがある」と回答しました。AI生成と分かった際の印象は「特に何も感じない」41.0%が最多で、「ネガティブ」33.2%、「ポジティブ」25.8%と分かれており、信頼性の担保が重要です。
利用者からの要望では「敬語や文脈に合った自然な表現の向上」「発信元やフィッシング判定などのセキュリティ機能」「複数パターンの返信案提示や過去履歴を学習したパーソナライズ」が上位に挙がり、現状の効率化効果をさらに伸ばすための改良点が示されています。
詳しくは「株式会社ベンチマークジャパン」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權






















