Microsoftの「Copilot in Teamsチャット」は、従来の1:1会話に加えグループチャットにAIを追加でき、議題作成や要約、情報検索を共同行えます。本稿は導入手順と運用上の注意点をプレスリリースに基づき正確に整理し、実務での使いどころをわかりやすく解説します。
導入手順と共有ルール、利用制限を押さえる
Copilotを既存のTeamsチャットに追加する方法は主に二つです。チャット画面上部の「エージェントとボットの追加」からアプリ一覧でCopilotを選ぶ方法と、チャット内で@メンションして追加する方法です。追加されると参加者リストにCopilotが表示され、チャット内にウェルカムメッセージが自動で届きます。1対1のMicrosoft 365 Copilotから直接Teamsでグループチャットを作成するオプションもあり、作成時に共有するメッセージ数と参加者を指定して作成できます。なお、この「Copilotからグループチャットを開始する」機能はパブリックプレビューの段階では常に新しいチャットを生成する仕様である点に注意してください。
Copilotが生成する応答は、質問をしたユーザーに紐づくデータをナレッジソースとして活用します。具体的にはチャット内で共有されたドキュメントや、接続されたSharePointに保存されたファイル、チャットやチャネルの履歴を参照して情報を合成できます。管理者が有効にしていればWeb検索で応答を補完することも可能です。一方で、Copilotがチャット内の全メンバーに利用可能でない情報を用いる場合、質問を行ったユーザー(プロンプター)に応答のプレビューが届き、プロンプト実行者が「承認」または「拒否」を選べます。「承認」を選ぶと全員に応答が表示され、「拒否」だと共有されなかった旨が通知されます。この承認フローにより、機密性の高い情報が不用意に全員と共有されるリスクを低減できます。
運用上のポイントとしては、Copilotをチャットに追加して質問するにはユーザーがCopilotライセンスを保有している必要があり、ライセンス非保有者は@メンションや質問はできませんが、他ユーザーが共有したCopilotの応答は読むことができます。利用制限としては、会議チャットやセルフチャットではCopilotは無効である点、現状テキストからイメージ生成はサポートしていない点、M365 CopilotからTeamsに共有できるメッセージ数に上限がある点、モバイル環境では一部機能が未対応である点が挙げられます。
Copilot in Teamsは日常的な議論と成果物作成を効率化する可能性が高いです。まずは限定チームで承認フローや権限設計を証することを推奨します。
レポート/DXマガジン編集部






















