最低賃金の上昇が、扶養枠を意識する主婦・主夫の働き方に波紋を広げています。しゅふJOB総研の再分析では、時給上昇で年収が増える一方、収入上限がある人の約半数が勤務時間を減らす選択を示しました。その実態とDXでの打ち手を整理します。
最低賃金上昇で変わる“年収の壁”

しゅふJOB総研(ビースタイルグループ/有効回答713件)の調査再分析では、収入上限の希望で最多が「年収103万円」で33.9%を占めました。扶養枠を外す目安としては「時給1,500円以上」が約6割(59.3%)、さらに「2,000円以上」で約9割に達しています。こうした金額感が、働き方の“境界線”を形作っています。

同調査では、最低賃金上昇に対する反応として時給単価が上がり年収が増える」と答えた人が52.3%いる一方、収入上限がある層に限定すると「勤務時間を減らす」と答えた人が49.2%と最も多い点が浮かび上がります。フリーコメントには「制度がわかりづらい」「中途半端に超えると手取りが減る」といった声が多数寄せられ、制度理解と個別最適の欠如が課題です。
一方で、調査顧問の川上敬太郎氏も指摘するように、扶養枠や税・保険の複雑さが最適な選択を阻んでいます。ここで有効なのがデジタル化(DX)です。具体的には、個々の収入・保険・税の影響を試算できるシミュレーターや、雇用条件に応じた提示を自動化するHRシステムで「見える化」を進めることで、扶養内外の損得を直感的に理解できるようにすることが考えられます。これにより、時給1,500円・2,000円といった閾値に対する判断が容易になり、勤務時間調整による人材の流出を抑える効果も期待できます。
詳しくは「ビースタイルグループ」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 權






















