資生堂は、国内従業員を対象に実施した希望退職の募集結果を公表し、257人の退職が決定したと発表しました。募集は2025年11月に公表され、主に40歳以上で勤続年数1年以上の人を対象に200人前後を見込んでいましたが、最終的に見込みを上回る人数となりました。退職日は2026年3月31日を予定しており、対象者には勤続年数や年齢に応じた特別加算金が通常の退職金に上乗せされます。さらに、希望者には再就職支援サービスが提供されることが明らかにされています。資生堂は24年から継続する構造改革の枠組みの中で本施策を位置付け、組織のスリム化と収益性の改善を図る取り組みを続けています。
今回の募集は、25年12月8日から26日にかけて応募を受け付けたとされています。応募者の大半は東京・汐留のグローバル本社に所属する社員で、一部に国内子会社の社員も含まれていました。この結果に関連して、資生堂は25年12月期決算において構造改革費用30億円を計上する予定としています。対象範囲や退職時期、金銭的措置が明確化されており、実施に向けたスケジュールと負担見込みが整理されました。これにより、財務面では一時費用の発生が見込まれる一方、中長期的な固定費の抑制が進むことが想定されます。再就職支援は退職者のキャリア移行を後押しする施策として設計され、加算金と併せて生活面の下支えにつながる枠組みとなっています。
資生堂は、業績の低迷を背景に国内外で店舗閉鎖や人員削減を進めており、構造改革の実行を加速させています。2024年には日本の従業員の約1割にあたる美容部員ら1477人の早期退職を実施しており、継続的な人員の最適化を行ってきました。中国市場では景気減速や現地メーカーとの価格競争の激化を受け、不採算店舗の閉鎖と人員削減に着手しています。中国での削減人数は公表されていませんが、収益性の改善を目的とした店舗網の見直しが段階的に進められています。さらに、買収ブランドの再構築も課題となっており、米国での施策も並行して進んでいます。こうした複数地域での対策は、事業ポートフォリオ全体の収益体質を立て直すための取り組みと位置付けられます。
米国では、買収したスキンケアブランド「ドランク・エレファント」の不振が続いており、2025年には米国子会社で1880人の1割超にあたる約300人の人員削減に踏み切っています。ブランドの成長鈍化に伴うコスト構造の見直しが必要と判断され、人員面からの改革が進められました。これにより米州事業の効率化が図られる一方、今後のブランド再成長に向けた打ち手が問われる局面でもあります。国内の希望退職と合わせ、資生堂は地域ごとに異なる課題に応じた対処を進めています。今回の国内措置では、対象者の属性や加算金の算定基準を明確化し、移行支援をセットで示した点が特徴といえます。構造改革費用の計上予定が示されていることから、決算上の影響度も一定程度見通しが立てられる状況です。
今回の発表は、資生堂が24年から続けている構造改革の延長線上にあり、国内外の施策が連動していることが分かります。国内では257人の希望退職の決定により、一定の人員最適化が進む見込みです。加算金の支給と再就職支援は、対象者の生活面とキャリア面の移行を支える措置として位置づけられています。一方で、25年12月期に30億円の構造改革費用を計上する予定が示され、短期的な費用負担と中長期の効率化を両立させる取り組みとなります。中国や米国での施策も含めた全社的な改革の動きは継続しており、今後の決算発表で具体的な進捗と影響が示される見通しです。






















