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「年1万円」で鉄道全線乗り放題。小湊鉄道が投じる“採算度外視”の学生年パスとは?

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小湊鉄道株式会社は、千葉県の五井から上総中野までを結ぶ全線で、学生向けに2026年度中は年1万円で乗り放題となる「学生専用 全線年間パスポート」を4月1日に発売します。対象は2027年3月末時点で30歳以下の小中学生、高校生、大学生、専門学校生で、五井から上総中野までの18駅、約39キロメートルが乗り放題となります。通学定期の利用が落ち込む中で、採算度外視で学生の利便を優先し、鉄道離れに歯止めをかける狙いがあります。通学に限らず、アルバイトや趣味など日常の移動での活用も想定しています。

価格面の効果は大きく、乗降客の多い上総牛久から五井までの通学定期が現在6カ月で約9万7000円であるのに対し、年1万円の年パスは平均9割程度の値引きになります。従来の定期からの切り替えで家計負担の軽減が見込まれ、利用回復を後押しする構図です。全線乗り放題により、通学経路にとどまらず沿線全域での回遊を促し、移動の自由度を高めます。発売日と価格を明確化することで、年度初めの利用判断をしやすくしています。

一方で、大幅な減収が想定されるため、継続の原資を確保する仕組みとして、1口3000円の寄付制度を創設します。寄付者には返礼として、1日フリー乗車券と沿線施設や店舗の割引・優待をセットにした「お楽しみ券」を進呈します。利用と地域消費をつなげる返礼構成は、路線維持と地域循環を同時に支える設計です。地域住民など広く支援を募り、共助の枠組みで持続可能性を高めます。

背景には、鉄道事業の年間1億円以上の赤字が続く厳しい経営環境があります。とりわけ高校生などの通学定期収入の落ち込みが大きく、子どもの減少や定期代の高さがネックとなり、新型コロナウイルス禍後も利用減が続いています。今回の年パスは価格障壁を大きく下げることで、学生の日常移動を呼び戻し、乗車総量の増加を優先する施策です。全線乗り放題というわかりやすい価値提示で、地域の移動行動に変化を促します。

詳しくは「小湊鉄道株式会社」の公式ページまで。

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