ソニーグループ傘下のソニーは12日、東京都港区の本社ビル内に「デジタルメディアプロダクションセンター」を開設しました。映像制作の前工程である作業計画や機材調整に活用でき、バーチャル背景を使った撮影から編集、3次元映像の確認までを1カ所で実施できます。米国、英国に続く3拠点目で、日本では初の取り組みです。デジタル背景の前で演技し、その場で仕上がりを確認して編集まで行えるため、工程間の齟齬を減らし手戻り抑制に役立ちます。クリエーターの需要を吸い上げ、カメラや撮影ソフトの性能向上につなげる狙いがあります。施設の利用は無料で、単体での収益化は目的としていません。
センターではソニーの技術者に加え、同社が手配する外部の撮影監督らが利用者を支援します。試作中の機材も実際に使ってもらい、得られたフィードバックを新技術やサービス開発に反映します。米英拠点では、カメラの位置や向きをリアルタイムで数値化するセンサー機「OCELLUS」のように、クリエーターの意見から生まれた製品が複数あります。拠点ごとに重視点が異なるとされ、日本ならではの視点で新技術が生まれる可能性が高いとしています。国内の制作文化や運用習慣に沿った最適化が期待されます。
今回の新拠点により、プリプロダクションからポストプロダクションまでを横断して確認できる環境が整いました。バーチャル背景と撮影、編集、3D確認を同一環境で検証でき、照明やカメラワークと背景表現の整合性を早期に見極められます。完成イメージを初期段階で具体化できるため、スケジュールやコストの見通しの精度が高まります。センターは、クリエーターとソニーが同じ空間で対話し理解し合う共創型のプロセス実践空間として設立されました。ソニーマーケティングの中川一浩取締役は内覧会で、この狙いを説明しました。無償提供により参加のハードルを下げ、幅広い声を継続的に取り込む体制を整えています。






















