100BANCHで活動するTrash Lensは、未来のゴミ分別アプリ「Trash Lens」において、モバイルバッテリーのリコール情報を確認できる新機能の提供を開始しました。スマートフォンで手元のモバイルバッテリーを撮影すると、AIが製品を解析し該当するリコール情報の有無を提示します。対象製品であれば回収窓口やリコール詳細ページへの導線を示し、対象外の場合でも全国の自治体における適切な処分方法を表示します。近年、モバイルバッテリーの火災事故が社会課題化するなか、安全な使用と廃棄の双方を支援する実装です。アプリはiOSとAndroidで提供され、アプリ紹介ページや各ストアへの案内が示されています。ワンストップで安全確認から廃棄方法までを案内することで、利用時と廃棄時の双方に潜むリスクの低減が期待されます。
深刻化するモバイルバッテリー事故に対するアプリの役割
発表では、モバイルバッテリーを巡る事故の深刻化が背景として示されています。2025年7月にはJR山手線の車内でリコール対象品が発火し、5人が負傷する事故が発生しました。対象製品は2023年6月からリコールが開始されていたものの、約39,300台という販売規模と情報到達の難しさから回収が完了していない状況が指摘されています。さらに環境省の調査として、2023年度にごみ収集車や処理施設でリチウムイオン電池が原因とみられる出火や発煙が21,751件にのぼり、過去最多であったことが示されました。これらの多くが、モバイルバッテリーや小型家電内蔵電池の不適切な分別に起因するとされています。施設の損傷や稼働停止が各地で発生し、自治体の処理体制にも大きな影響を与えています。こうした現状に対し、アプリで「撮るだけ」でリコール確認と正しい廃棄法を提示するアプローチが位置づけられています。
「撮るだけ」でリコール照会から処分方法までを即時提示
新機能は、カメラで撮影した画像からAIが型番やメーカー情報などを読み取り、該当するリコール情報の有無を即時に表示する仕組みです。リコール対象の場合は、メーカーの回収窓口や詳細情報への導線を提示し、迅速な対応につなげます。対象外の場合でも、登録した自治体や現在地の自治体における分別方法、適切な廃棄手順を案内します。利用者は安全性の確認から処分方法の把握まで、一連の流れをワンストップで完結できるようになります。これにより、情報の分散や調査の手間が減り、不安や煩雑さが事故や不適切な廃棄につながるリスクの抑制が期待されます。サンプル画面ではリコール提示のイメージが示され、撮影製品は実際のリコール対象とは異なる旨も明記されています。安全確認から廃棄までの行動を連続的に促す体験設計が特徴です。
5秒で捨て方や活用法を提案する「Trash Lens」のコンセプト
Trash Lensは、手放すモノを撮るだけで捨て方や活用法を提示するというコンセプトで開発されています。AIが画像から検出した特徴をもとに、資源としての価値を見出し、利用者にとって満足度の高い手放し方を提案します。分別の選択肢が増え、汚れや状態によって扱いが変わるなど複雑化するなか、アプリは「これってどうやって捨てるの」という疑問に短時間で答えることを目指しています。リユースやアップサイクルの可能性も合わせて提示し、フリマアプリの利用ハードルや情報探索の手間を軽減します。撮影すると5秒程度で種類や特徴を検出し、登録自治体と現在地の両方での捨て方を示す仕組みです。従来の分別検索や比較検討の手間を縮減し、資源化の機会損失を抑えることが狙いとされています。
安全・資源活用の両立に向けた今後の取り組み
Trash Lensは今後、リユースやアップサイクルに取り組む企業との連携を広げ、AIが検出した特徴に基づく買取価格目安の自動提示や、見積もり・買取申し込みまでアプリ内で完結する仕組みの提供を進めます。こうした連携を通じて、資源としての価値の最大化と、手放す人の満足度向上を両立させる構想です。加えて、行政との連携により分別がわかりやすくなるだけでなく、分別後にどのように生まれ変わるのかを可視化し、日々の分別への納得感を高める仕組みの提供を目指します。リコール確認機能は、使用時と廃棄時の双方の安全確保に資する基盤として位置づけられ、事故防止と適正処理の両面から社会的な効果が期待されます。アプリが提示するワンストップの情報提供により、回収の確実化と不適切廃棄の減少が見込まれます。
100BANCHにおけるプロジェクト推進の位置づけ
100BANCHは、若い世代とともに新しい価値を創造する場として2017年に設立された複合施設で、「100年先の世界を豊かにするための実験区」を掲げています。各分野の第一人者によるメンタリングや年間を通じた発信機会を提供し、2025年11月時点で応募約1185件のうち390プロジェクトを採択してきました。Trash LensはGARAGE Programの68期生として採択され、同拠点で開発と発信を進めています。常識にとらわれない取り組みを後押しする環境下で、資源活用と安全を両立する機能拡張を積み重ねています。今回のリコール確認機能の実装は、生活者の行動に直結する安全性と利便性の両面を高めるものとして、社会実装の一歩を具体化する内容です。プロジェクトページなども案内され、活動の継続性が示されています。
詳しくは「100BANCH」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部






















